こんにちは。ファイブスターコーポレーションです。
今回は現在のインバウンドの状況と、インバウンド獲得のためにできることをお伝えしたいと思います。
観光業や宿泊施設においてインバウンドの取り込みはとても重要です。
コロナ禍で一度は失ってしまったインバウンドの状況を把握し、今からしっかり取り込んでいけるように準備しましょう。
はじめに
新型コロナが流行してから3年という月日が流れ、ようやく回復してきたと実感している方も多いのではないでしょうか?
コロナ禍に宿泊業や観光業に従事された方もいると思います。そもそもインバウンドってなに?っていう人も中にはいるかもしれません。
インバウンド(Inbound)とは、外国人が訪れてくる旅行のこと。日本へのインバウンドを訪日外国人旅行または訪日旅行という。これに対し、自国から外国へ出かける旅行をアウトバウンド(Outbound)または海外旅行といいます。
コロナ禍で海外への渡航が規制され、この3年はほとんど海外からの観光客というのがいませんでした。
ではコロナ禍から回復している今と、コロナ前の2019年ではどれくらい違いがあるのでしょうか。
この記事ではインバウンドの状況と今後の対策をまとめていきます。是非参考になればと思います。
【1】コロナ前(2019年)インバウンド状況
2019年は年間で3,000万人以上のインバウンドがありました。70%が東アジアでその中でも中国、韓国、台湾がほとんどを占めています。
アメリカはもっと多そうですが5.4%とそこまで多くのシェアはありません。
19年はどこにいても中国語が飛び交うという日常でした。
これだけ多くの外国人が3年間でほぼ0になるというのは、やはり観光業にとっては大きな痛手となりました。
特に夏場の中国人観光客の数が群を抜いています。
コロナ禍から回復したのに今年の6,7,8月の動きが19年と比べて悪いなと感じる施設様も多いのではないでしょうか?
それは恐らくこの中国人観光客が戻っていないからだと思います。
出典:日本政府観光局(JNTO)
では、23年現在の状況はどうなっているでしょうか。
【2】現在(2023年)インバウンド状況
こちらが23年のグラフです。(データは1,2月)
全体的な比率は19年と大差はありませんが、お気づきの通り中国が見えません。
19年は30%のシェアがあったにもかかわらず、23年は僅か2.3%しかなく、完全に埋もれてしまっています。
1,2月のデータだから今は全然違うでしょ!と言いたいところですが、中国はゼロコロナ政策の一環で海外行きの団体ツアーの販売禁止、最近になり段階的に容認していますが、台湾情勢による関係の悪化により日本や米国が対象外になっています。
元々日本を訪れる中国人の多くが団体ツアーを利用しているため、現在も回復につながっていない状況です。
もちろんこれが解禁されれば一気に中国人観光客の動きが活発になるかもしれませんが、今のところいつになるかはわかりません。
反対にアメリカからの、シンガポール、ベトナムからのシェアは19年を超えており、中国以外のインバウンドに向けた施策が重要になるかもしれません。
続いて19年から23年までの月毎の推移です。
下記のグラフで分かる通り、20年3月から22年9月まではほぼ0と言っても過言ではありません。
23年2月現在で19年の半分ほどまで戻って来ていますが、中国人のシェアがほとんど見込めないのでまだまだ戻り切ってはいない状況です。
出典:日本政府観光局(JNTO)
ではこれを踏まえてどのような対策ができるでしょうか?
簡単にご紹介させていただきます。
【3】宿泊サイトでの対策
・海外サイトの充実
これは当たり前ではあるのですが、コロナ禍になり外国人が来ないからということで、知らず知らずのうちに日本人寄りの設定をしている施設様もいるかと思います。
最近では日本人の利用も多くなりましたが、国内のお客様は国内のサイトでも予約をしますが、外国人観光客は国内向けサイトではほとんど予約をしません。
ですので、海外のサイトはやはり外国人向けにするのが良いと思います。
以前もブログでご紹介しましたが、主要海外サイトは
・Booking.com
・Expedia
・Agoda
です。
こちらの3サイトを押さえておけば大丈夫ですので、今一度設定や言語などチェックしてみてください。
海外サイトは細かいプラン内容の記載ができません。
写真や設備の情報が非常に重要ですので、しっかり見直しをしましょう。メッセージ機能の定型文も英語以外に多言語対応できるとゲストに優しいです。
決済方法も現地のみではなく事前決済も可能にしておきましょう。
プランも特典付きなどはわかりにくく、プランがたくさんあると煩わしく見えてしまいます。ごちゃごちゃ何個もプランがある場合は少しスッキリさせましょう。
また、最近では女性限定や男性限定など性別の括りを使ったプランは差別と捉えられる可能性があるので注意が必要です。
【4】各施設での対策
・施設内や公式サイトでの多言語対応
コロナ禍で外国語を使用する頻度が減ったり、案内文がほとんど日本人向けになっている施設様も多くなっていると思います。特にコロナ禍でオープンやリニューアルした施設はインバウンドの受け入れもほとんどないままの状態という場合もあるでしょう。
今のうちに見直しておきたいのは、公式サイトが多言語に対応しているか、施設内の案内文が日本語だけになっていないか、問い合わせに外国語で対応できるツールやスタッフがいるか。
最低でも英語、中国語、韓国語までは対応できると広範囲でカバーすることができます。
・SNSでの発信
最近では公式サイトや宿泊サイトよりも、SNSの情報を見て予約される方もたくさんいます。
実際泊まった方のリアルな声が聞けたり、写真映えする場所や物があるかなど重要視されています。
SNSを利用している施設様も増えてきておりますが、発信はすべて日本語だったり日本人向けの内容ばかりであれば、海外の方に魅力的な発信をしていくことで
集客に繋がっていくかもしれません。
是非SNSの発信方法も見直ししてみてください。
・決済サービスの導入
日本でもキャッシュレス決済が増えてきておりますが、外国では日本以上にキャッシュレス化が進んでいます。
ご覧の通り日本はまだまだ低いというのがわかります。
外国人観光客は現金を使用すると手間もコストもかかる為、決済が現金のみだと選ばれにくくなってしまいます。
キャッシュレス決済によって予定以上に金額を使ったというデータもありますので、支払い方法も今のうちに整えておきましょう。
日本に来る外国人はクレジットカード決済が最も多いので、国際ブランドの種類を増やしておくと安心です。
【5】さいごに
今回はインバウンドの状況と、今のうちにできることをまとめました。
まだまだ100%戻ってはいませんが、コロナ禍で失った外国人観光客も徐々に戻って来ています。
すでにいろいろと対策されている施設様も多いと思いますが、インバウンドの受け入れはどうしたらいいのか、今まで全然外国人に向けた販売ができていなかったという施設様にとって、この記事が少しでもお役に立てばと思います。
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