こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
2025年になり旅行需要は徐々に回復、国内外の観光動向にも再び熱が戻ってきました。その中で、ホテルにとって重要性を増している販売手法の一つが「航空券付きのパッケージ販売」です。
かつては旅行代理店が組んで販売する“パッケージツアー商品”が主流でしたが、現在はオンラインでリアルタイムに組み合わせが可能な“ダイナミックパッケージ商品”が主流となりつつあります。
特に海に囲まれる島国である日本や沖縄県などの島嶼地方への旅行は飛行機での移動が必須となり、移動と宿泊を同時に予約できるパッケージプランは重要な役割を果たします。
この記事では、パッケージプランの概要からホテル側のメリット・注意点等をご紹介します。
出典:https://www.mlit.go.jp/koku/content/001882014.pdf
現在就航している日本発着の国際旅客定期便を見ても、25年の夏ダイヤはコロナ禍前の19年冬の便数を上回ることからも、飛行機を利用して日本を訪れる人々は増えていることがうかがえます。今回のブログでダイナミックパッケージについて学び、今後の販売に是非活用してください。
【1】パッケージ商品の概要
「パッケージプラン」と言っても、その中身は多岐にわたります。代表的なのは旅行業界における「航空券+ホテル」「新幹線+ホテル」「JR+ホテル」といった「移動手段+宿泊」のセットですが、近年はそれらに加えて、レンタカー・アクティビティ・食事・送迎などを自由に組み合わせる様々なパッケージが存在します。更に旅行業界に限らず、複数の商品・サービスを組み合わせた商品として様々な業界でパッケージプランの販売がされております。
では、様々なパッケージプランがあることを認識いただけたところで、改めて旅行代理店が提供する「パッケージツアー」と、OTAで提供される「ダイナミックパッケージ」の主な違いをご紹介いたします。
「パッケージツアー」とは
✅旅程は旅行会社が設定するツアーの中から選択する
✅ホテルは旅行会社が設定するホテルの中から選択
✅旅行代金はあらかじめ決まっている
「ダイナミックパッケージ」とは
✅旅程は空きのある日程で自由に選択できる
✅ホテルは空きのあるホテルから自由に選択できる
✅旅行代金は予約するタイミングに応じてリアルタイムで変動する
パッケージツアーのメリットとしては、事前に旅行会社が旅程・ホテル・料金を決めているので、自身で一つ一つを調べ、比較し、予約する必要が無いというのが最大のメリットでしょう。
ダイナミックパッケージのメリットとしては、自身が好きなタイミングで、好きにホテルや航空会社を予約することができ、自由自在にカスタマイズできるというのが最大のメリットでしょう。
どちらかというと旅行に慣れていない方は旅行会社のパッケージツアー、旅行に慣れている方はダイナミックパッケージツアーが向いていると言えるでしょう。
【2】パッケージ販売のメリット・デメリット
旅行者からしたメリットはパッケージツアーは事前に旅行会社が旅程・ホテル・料金を決めているので、自身で一つ一つを調べ予約する必要が無いこと、
ダイナミックパッケージは、自身が好きなタイミングで、好きにホテルや航空会社を予約することができ、自由自在にカスタマイズできるというのが最大のメリットでした。

旅行者の視点はわかったけど、販売するホテル側のメリット、デメリットはあるの?
勿論、販売を行うホテル側にもメリット、デメリットそれぞれございます。次は、OTAで提供される「ダイナミックパッケージ」のメリット、デメリットご説明したいと思います。
メリット【1】OTAで特集企画が定期的に開催される
楽天トラベルやじゃらんnetなどのOTAでは、ダイナミックパッケージ専用の特集が定期的に開催されます。
このダイナミックパッケージ特集に参画することで、通常の検索画面の他、特集ページでもプランが掲載されホテルの露出強化に繋がります。
メリット【2】OTA企画型クーポンの提供がある
ダイナミックパッケージ専用の特集も定期的に開催されますが、その他にOTA企画型でクーポン特集も開催されています。
サイトTOPに大きく特集バナーが掲載されていることもあるので、ダイナミックパッケージ専用のクーポン企画に参画すると更に露出強化につながります。
メリット【3】販売元によってキャンセルポリシーが規定 キャンセル手数料の徴収がほぼ確実
ダイナミックパッケージ販売に関しては、ホテル側で設定したキャンセルポリシーとは別に販売元(航空会社や予約プラットフォーム)によってキャンセルポリシーが設定されています。
宿泊単体予約でノーショウが発生した場合、お客様の精算方法が現払いですと、連絡しても音信不通で連絡が取れなく、泣き寝入りすることも少なくないかと思います。
ダイナミックパッケージは代金のお支払いは事前決済のみなのでキャンセル手数料の徴収がほぼ確実に行えると言えるでしょう。
ただ、例外もあって、ダイナミックパッケージは悪天候・災害での交通の遅延や、欠航による取消の場合は、取消料が免除されることもございます。
メリット【4】クローズドマーケットのためレートパリティを気にせず価格面での施策が行える
OTAでは、価格の公平性を求めているサイトも少なくないので、一部サイトだけ価格を下げて予約を取り込む施策を行うと、レートパリティを重視しているサイトで、検索や表示順位の低下などを受ける可能性があります。
ダイナミックパッケージ販売は、「移動手段(航空券+JRなど)+宿泊」の金額がセットになって販売されるクローズマーケットになります。
なので、実際ホテル側がどの販売価格で提供しているか見えないので、レートパリティを気にせず価格面での施策が行えます。
また、ダイナミックパッケージは自由に価格の変動ができるので、ホテル側で需要と供給に合わせて価格を設定できます。
メリット | 露出強化、キャンセル料確保、価格自由度あり |
デメリット | 高手数料、予約者と直接連絡不可、プラン文言 表現制限あり |
近年では、宿泊予約システム(ブッキングエンジン)にタイムデザイン社のツアービルダーなどのダイナミックパッケージ販売システムを利用することで、自社のホームページでもダイナミックパッケージの販売が可能になってきています。そのため、自社のホームページでもダイナミックパッケージプランを販売する施設が増えてきました。
OTAと比べて手数料が安価になるので、自社サイトにもダイナミックパッケージ販売を導入してみるのはいかがでしょうか。
弊社ではホテル公式サイト上の予約システム(ブッキングエンジン)の見直し提案や、新システムの導入サポートも行わせていただきます。無償の予約エンジンを利用しているが機能に不満がある、有償の予約エンジンを利用しているが、施設に見合った使い方ができていないなど、様々なご要望にもお応えいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
デメリット【1】サイト手数料が高くなる場合がある
通常のサイト手数料より、ダイナミックパッケージ予約では手数料が高くつく場合もございます。
販売前にダイナミックパッケージ販売の手数料も確認を行う必要がございます。サイトの手数料についての記事も書いているので、よろしければご覧になってみてください。
弊社ブログ:『宿泊予約サイトの手数料まとめ【2024年10月最新版】』
デメリット【2】ご予約のお客様と直接連絡ができない
ダイナミックパッケージ予約は「募集型企画旅行(※1)」のためホテル側がお客様へ直接連絡を行うことができません。お客様とのご連絡は、主催会社を通して行うことになります。
なので、お客様へご案内を行いたい内容があった場合、主催会社に依頼を行い主催会社がお客様へご連絡を行うの流れになりますので時間と手間がかかります。
(※1)出典:https://www.tourism.jp/tourism-database/glossary/agent-organized-tours/
デメリット【3】ダイナミックパッケージはプラン設定が複雑
ダイナミックパッケージのプランは、NGワードが多数あります。まず、「○%OFF」「最安値」などは「移動手段+宿泊」の金額がセットになっているので、ホテル側は割引していても航空券やJRの方はその限りではありません。
「幼児無料」は宿規定では無料宿泊できるお子様でも、座席代がかかる場合がありますのでNGワードに入ります。
プラン登録を行ってもこのNGワードが入っていると審査落ちして販売されません。
NGワードを全て把握して使用しないことで、プラン審査落ちを防げますが、NGワードを全て覚えるのは正直厳しいです。
また、他にも多数のNGワードがありこのプランで本当に伝えたい事をしっかり明記することができず、当たり障りのない表現にとどめておくことしかできない場合もございます。
【3】LCCでもパッケージ販売があるんです!
先述の通り、楽天トラベルでは楽パックとしてANA航空券+ホテル、JAL航空券+ホテルのダイナミックパッケージの販売が、じゃらんnetではじゃらんパックとして楽天トラベルと同様にANA航空券+ホテル、JAL航空券+ホテルの販売がございます。
両社はANAやJALといったFSC*の航空券+ホテルとなり、旅行者としては旅行代金が高くなるため、やはりホテルは単体で予約、航空券はMCC*やLCC*を個別で予約する、といった方もいらっしゃいます。
MCS*:ミドルコストキャリア(スカイマーク・エアドゥ・ソラシドエア・スターフライヤーなど)
LCC*:ローコストキャリア(ピーチ・ジェットスター・スプリングジャパン・ジップエアなど)
そこでユーザーが離脱してしまうと肩を落とすのは早く、実はLCCやMCC+ホテルのダイナミックパッケージ販売を行う予約サイトは多く存在することをここで紹介させていただきます。
・スカイチケット(https://skyticket.jp/dp/)
ANA、JAL、スカイマークをはじめ、LCC各社(ピーチ航空、ジェットスター、春秋航空日本)などの格安航空券の最安値と時刻表を一括比較が可能な予約サイト。
・ニーズツアー(https://www.needstour.com/)
沖縄、石垣、宮古や北海道を中心に全国のお得なパッケージツアーが充実しており、JAL・スカイマーク等7社と提携。
・エアトリ(https://domdp.airtrip.jp/)
国内外の航空券・ホテルの一括予約に対応した日本最大級の総合旅行予約サイト。ANA、JALからLCC各社まで幅広い航空会社と連携しており、スマホアプリからの予約も可能。
・トラベルウエスト(https://tr.travelwest.jp/page/airhoteldome/?RT_CD=A0057&S_CD=03)
国内全13社の航空会社とAPI連携し、年間約10万名の利用実績を誇り、出発3日前までの直前予約にも対応。
ホテルとしては、これらのサイトでのセールなどの企画特集に参画すること、サイト専用プランを作成するなどの施策を行うことで掲載順の向上や露出アップにつながり、
楽天トラベルやじゃらんnetだけに頼らない、様々なチャネルからの集客を図ることができます。
また、これらのサイトに限らず、ダイナミックパッケージは航空会社のセール開催時期での予約がお得になることがございます。セール期間ではお得な航空運賃が提供され、企画型クーポンの発行も航空会社から発行されるので、ホテルの手出しが少なくお得に予約を獲得できることもございます。
弊社では沖縄発着便を運航する航空会社のセール情報をまとめた記事を過去に投稿しておりますので、気になる方はそちらもチェックされてください。
【セールは宿泊予約サイトだけじゃない!航空券のセールもしっかりチェックしよう!】
【4】さいごに
いかがでしたか?
旅行スタイルが多様化する今、パッケージ商品の活用は大きなチャンスとなります。
移動と宿泊をセットで販売することで、旅行者にとっては「選びやすく・予約しやすい」商品になり、ホテルにとっては稼働や売上の安定化に繋がるなど、双方にとってのメリットがあります。
しかし、ただ販売しても思うような効果が出なかったり、特集への参画手続きや設定の修正などの手間ばかり増えてしまうというケースもございます。
弊社では、こうしたパッケージ商品の導入にあたって、プラン内容の整備や、OTAでのセール参画なども含め、施設様の販売状況やご意向に合わせたサポートをご提供しています。
「興味はあるけれど、設定が難しそう」「どこから手をつけていいのか分からない」など、ホテルのWEB集客でお悩みの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。