こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
早いもので2025年も残すところ僅かの日程となりましたがお変わりなくお過ごしでしょうか。
今回の記事では2025年観光業界総まとめとして、ホテルを取り巻く日本の観光産業全体を振り返りたいと思います。こんなこともあったな、と今年1年を振り返っていただき、2026年の準備を始める機会にしていただけますと幸いです。
記事の目次
【1】数字で見る2025年(全国版)
まずは、数字で見る2025年(全国版)といたしまして、
全体の観光を取り巻く環境の変化を見ていきます。
▼訪日外国人旅行者数について
年間(1-12月)の史上最多を早くも11月時点で達成し、12月の実績にかかわらず、過去最高の外国人が日本を訪れる結果となりました。
2024年の年間累計は3,687万人であり、この数字も過去最多を記録しておりました。
2025年は11月時点で3,906万人を超え、その最多記録を+200万人以上更新している現状から、非常に多くの外国人観光客が日本を訪れたことがうかがえます。
(参照:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/_files/20251217_1615-1.pdf)
▼航空便の運航便数について
国土交通省が公表する、「2025年冬季スケジュール 国際線定期便の概要」によりますと、
2025年冬期の運航便数は、6240.5便/週(うち、旅客便:5679.0便/週、貨物便:561.5便/週)で、
前年同時期の+9%(旅客便:+10%、貨物便:+5%)となり、過去最高を更新したようです。
運航便数が増えたことで、先述の訪日外国人旅行者数の増加をもたらしたことがうかがえます。
(参照:https://www.mlit.go.jp/koku/content/001967589.pdf)
▼ホテル軒数について
現時点で、日本全体の宿泊施設数は令和6年3月末時点での数字の公表が最新情報となりますが、
厚生労働省によりますと令和6年3月末現在の旅館業の営業許可施設数は、9万3,475施設であり、前年度より2,725施設の増加となっており、
うち、旅館・ホテル営業数は5万1,038施設、簡易宿所数は4万1,909施設となっているようです。
昨年時点で増加傾向にあった施設数は、新型コロナウイルスの影響も落ち着きを見せ、
大阪万博の開催などもあった2025年は、間違いなく増えたことが予想されることでしょう。
(参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/seikatsu-eisei03/03.html)
【2】数字で見る2025年(沖縄)
続いて、数字で見る2025年(沖縄)といたしまして、
沖縄県の観光を取り巻く環境の変化を見ていきます。
▼沖縄県入域観光客数について
沖縄県が発表する『令和7年度上半期沖縄県入域観光客統計概況(速報)』によると、令和7年度上半期、沖縄を訪れた観光客は553万4700人に上り、対前年度比較では+57万3900人(+11.6%)、
そして上半期最高の実績があった令和元年度が534万8600人でしたので、
今年度はそれを18万6100人上回る過去最高の実績となりました。
上記は上半期(4月-9月)の実績となり、最新の公表によると10月の実績が発表され、
2025年10月に沖縄を訪れた観光客は98万5,800人に上り、対前年同月比では+9万8,900人(+11.2%)と、これもまた10月としては過去最高の実績となりました。
11月についても航空会社による臨時便等があることのほか、ResorTech EXPO 2025 in Okinawa等の県内イベントの開催や国内・県内発着クルーズの寄港が多数予定されていることから好調に推移すると見込まれる。とされており、下半期も好調に推移していることがうかがえます。
▼航空便の運航便数について
国土交通省が発表する『国際線就航状況』によると、那覇空港を発着する国際線直行便の便数は、現在237便/週(2025年冬ダイヤ)となり、過去最高の就航数であった平成30年の冬ダイヤ230便に対し+7便となっており過去最多の便が就航していることとなります。※貨物便を含む
(参照:https://www.mlit.go.jp/koku/content/001967589.pdf)
▼ホテル軒数/客室数について
沖縄県が毎年公表している『宿泊施設実態調査』によると、令和6年12月31日時点での宿泊施設数は前年比108.8%の4,251施設に達しました。
収容人数も前年比102%の188,425人と過去最高を更新しており、観光需要の回復に伴って宿泊施設の受け入れが着実に拡大していることがわかります。
このうち、ホテル・旅館(大~小規模)に絞ると約939軒(前年比103.4%)、客室数は約52,976室(前年比100.7%)となっています。
特に小規模施設を中心に新規参入が続いていることから、県内宿泊市場の競争はさらに活発化している様子がうかがえます。
(参照:https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/026/290/r6-syukuhaku2.pdf)
【3】2025年を振り返って|イベント・ニュース・観光の動き

ここからは、2025年がどのような一年だったのかを イベント・ニュース・観光の視点から振り返っていきましょう!
次の一年に向けたヒントや改善のきっかけが見えてくるかもしれませんね
1.大型イベント
・ 大阪・関西万博 開催:2025年4月13日~10月13日
・沖縄「JANGALIA(ジャングリア)」オープン:2025年7月25日~
・ 世界陸上競技選手権 東京大会 開催:2025年9月13日~9月21日
▼大阪・関西万博 開催
2025年のイベントといえば、やはり大阪・関西万博を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
国内外から大きな注目を集め、日本全体を大きく動かした一大イベントでした。
万博期間中は大阪を中心に関西エリアで宿泊需要が高まり、特に週末や大型連休を中心に稼働・単価ともに上昇。
経済効果については約3兆6,000億円規模との試算も発表されており、カプセルホテルで1泊2万円台の価格帯が話題になるなど、価格面でも大きなインパクトを残しました。
一方で、来場者の集中によるオーバーツーリズムや交通混雑といった課題も顕在化し、
観光と生活のバランス、受入体制の在り方について、改めて考えさせられる年でもありました。
▼沖縄「JANGALIA(ジャングリア)」オープン
沖縄では、本島北部に大型テーマパーク「JANGALIA(ジャングリア)」がオープンし、大きな話題となりました。
開業前は交通渋滞などが懸念されていましたが、事前対策の効果もあり、オープン当初は比較的スムーズな動線が確保されていました。
一方で開業後は夏の厳しい暑さや園内の混雑といった要因から、来場者の評価が分かれる場面も見られました。
宿泊面では、北部エリアを中心に「テーマパーク目的の滞在」や「家族・グループ需要」が増加。
開業後15年間で約6兆8,000億円規模の経済波及効果が見込まれており、今後の新アトラクション追加なども含め、観光資源としての期待が大きい話題の施設となりました。
▼世界陸上競技選手権 東京大会 開催
開催地の東京では、世界陸上競技選手権が開催され、スポーツイベントを目的としたインバウンド・国内旅行の需要を高める要因となりました。
大会は観客動員数約61万人を記録し、チケット収入も好調で、運営面・経済面の両面で成功を収めた大会となりました。
大型スポーツイベントが、「観戦+宿泊+観光」という流れを生み出す好例となりました。
2.社会ニュース
・夏の猛暑と観光施設・テーマパークの対策強化
・熊の出没増加による観光地への影響
・中国政府による「日本への渡航自粛」呼びかけ
・“予言”関連の噂による予約キャンセル・問い合わせ
・AIの急速な普及(SNS経由の予約等)
2025年は、気候や社会情勢の変化に振り回された一年でもありました。
季節感のズレや夏の記録的猛暑は、テーマパークや観光施設だけでなく、宿泊施設の運営にも少なからず影響を与えました。
7月には、根拠のない“予言”をきっかけに、キャンセルや問い合わせが急増するケースも見られ、その影響力の大きさを実感した方も多かったのではないでしょうか。
また、熊の出没増加といったニュースは、観光地の安全面への不安につながり、一部地域では宿泊需要の減少という経済的影響も見られました。
11月には、中国政府による「日本への渡航自粛」呼びかけを背景に、2026年3月にかけて航空便の減便やキャンセルが発生するなど、インバウンド市場にも影響が広がりました。
その一方で、AIの急速な普及も大きなトピックです。TikTokなどSNSを起点とした宿泊予約が増え、「予約の入口が多様化している」ことを強く感じた一年でもありました。
3.観光・旅行市場の動き
・円安を背景にインバウンド需要は引き続き好調
・訪日外国人客数は過去最多を更新(1月~11月)
・沖縄の観光入域客数も過去最大水準
・海外検索・海外メディアでの日本や沖縄の注目度上昇
こうした出来事が続く中、観光・旅行市場全体としては好調な流れが続いた一年でした。
円安の影響もあり、インバウンド需要は高水準を維持。
沖縄では観光入域客数が過去最大水準となり、内外からの人気の高さが改めて数字で見えてきました。
また、海外OTAや検索データを見ても、日本だけでなく沖縄への関心の高さがうかがえます。
Expediaなどの海外予約サイトや国内予約サイトでも沖縄が検索上位にランクインする場面も見られました。
(過去ブログ:観光先として沖縄が大注目!最新情報から今後の動向を先取りしましょう!)
需要が戻った一方で、さらなる競争の激化や価格・サービス面での差別化など、「選ばれるための工夫」がより求められた一年だったのではないでしょうか。
【4】~2025年~今年“最も注目された”ブログ記事TOP5
先述の通り、円安でインバウンドは回復した一方、災害予言の風評やオーバーツーリズム、自然要因、渡航自粛など課題も多い一年でした。
その中で沖縄観光客数の回復や大阪万博開催、ジャングリア開業、観光業界×AIなど明るい動きも加速しました。
こうした一年を通じて、弊社でも毎月継続的にブログを更新し、宿泊施設の皆さまに少しでもお役立ていただける情報発信に努めてまいりました。
その中でも、2025年特に多くの方にお読みいただいた記事、閲覧数の多かった記事【TOP5】をご紹介したいと思います。
1.Agodaが安いわけ!?正しく理解してうまく活用しましょう!
https://fivestar-corporation.co.jp/archives/23007
Agodaの料金が安くなる仕組みについて、ホテル側・宿泊者側の両視点から解説した記事です。価格設定のロジックや、宿泊施設にとってのメリット・懸念点、宿泊者にとっての利点を整理しました。
2025年3月公開の記事ながら、現在も安定して読まれている人気記事です。
2.【国内サイト比較!】楽天・じゃらん・一休・るるぶ 編
https://fivestar-corporation.co.jp/archives/23752
「楽天トラベル」「じゃらんnet」「一休.com」「るるぶトラベル」という国内主要OTA4社を比較し、それぞれの特徴や強みを解説しました。
会員数、ポイント制度、キャンペーン、利用ユーザー層などを整理し、OTA戦略の重要性を紹介させていただきました。
3.【一休.com×Yahoo!トラベル】関係性とそれぞれの強み、販促方法を徹底解説!
https://fivestar-corporation.co.jp/archives/23835
一休.comとYahoo!トラベルの関係性や、それぞれの特性・集客力の違いを解説した記事です。
一休.comは高級宿に特化、Yahoo!トラベルは幅広い宿泊施設を対象とした集客が強みで、ポイント施策や販促プログラムの効果的な活用方法についても紹介しています。
4.フィッシング詐欺にご注意!宿泊施設を狙った最新手口と対策
https://fivestar-corporation.co.jp/archives/23715
近年、益々増加している、宿泊施設を標的としたフィッシング詐欺について解説しました。
偽の問い合わせや予約確認、正規チャットの悪用、偽サイトによる情報搾取など具体的な手口を紹介し、二段階認証の導入やスタッフ教育など、実践的な対策・予防策をまとめました。
5.【今更聞けない!?】Booking・Expedia・Agoda・Trip.com比較!各社の強みとプロモーション活用法
https://fivestar-corporation.co.jp/archives/23421
Booking.com、Agoda、Expedia、Trip.comといった海外OTA4社を比較し、それぞれのユーザー層や地域別の集客力、プロモーション設定の特徴を解説しました。
海外集客を強化したい宿泊施設に向けて、OTAごとの特性を理解し、戦略的に活用する重要性を紹介しています。
【5】さいごに
いかがでしたでしょうか。
2025年は、インバウンド需要の回復・拡大をはじめ、風評被害や自然要因、国際情勢の変化など、まさに「変化の年」だったと言えるでしょう。
めまぐるしく状況が移り変わる中で、チャンスと課題が同時に押し寄せた一年だったのではないでしょうか。
では、2026年はどうなるのか。
どのような販売方法・集客戦略を選択していくべきなのか。
今年直面した課題をしっかりと振り返り、柔軟な対応力を磨くことが次の成長につながるかと考えています。
市場の動きを捉え、状況に応じた戦略を積み重ねることで、来年もより良い一年を目指していきましょう。
弊社も引き続き、宿泊施設の皆さまに寄り添いながら、有益な情報発信、サポートを続けてまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
01月16日 :BEGIN35周年公演 @宮古島市文化ホール
01月17日 :浜田省吾 @沖縄コンベンションセンター
01月17日 :林部智史 @那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
01月18日 :BEGIN35周年公演 @那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
01月24日 :杜の賑い @沖縄コンベンションセンター





