最近、打ち合わせの際に「建築中のホテルをよく見かけるけど、実際どのくらい増えてるの?」というご質問をいただくことが増えました。
観光入域客数を年々増加しているとはいえ、ホテル建設ラッシュが加速し続けているので販売価格を決めるうえでもかなり気になるところだと思います。
ということで本日は沖縄県内のホテル(客室数)と入域観光客数について簡単に纏めてみました!
なお、今回扱う数字はすべて沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課の平成28年~平成30年発表のデータを基にしております。
ホテル&客室数&収容人数の推移
平成30年のデータがまだ発表されていないため、平成20年から平成29年までの10年分の推移と増加率です。
見辛くなるためホテル/旅館タイプのみの集計データです。
ここ10年の沖縄はずっと右肩上がりなイメージでしたが平成24年~25年にかけて軒数/客室数ともに減少した時期があったんですね!
平成26年以降の伸びについては、那覇空港の第二滑走路着工についての発表や東京オリンピック開催などのニュースが平成25年にあったのでその影響を受けているように感じます。
特に平成28年以降の小規模施設の増加率は凄まじく、平成27年~平成29年にかけて1.5倍近くも増加しております!
入域観光客数の推移
続いて、入域観光客数の推移です。
沖縄県の入域観光客数の増加については度々ニュースで取り上げられることもあるので何となくは把握している人も多いと思います。
クルーズ船での入域も含むものの、平成25年からの5年間で45%以上も増加しているんですね!
収容人数推移と入域観光客数推移の比較
ではここで、県内ホテルの収容人数の増加率と観光入域者数の増加率を比べてみます。
パッと見た感じだと平成29年の収容人数増加率が8.2%なのに対し、入域観光客数が9.2%も増加しているので凄く好調に見えますがここで注意したいところが
年間の入域観光客数が810,700人増
1日当たりの収容人数が6,999人増
になっていることです。
実は一年間に換算すると沖縄県のホテルに泊まれる人数は単純計算で2,554,635人も増えているのです!
今回の計算から除外している民泊系の施設等も含めると平成28年から平成29年にかけての一日当たりの収容人数は9,421人増加しているため年間収容人数は3,438.665人も増加していることになります!!!
年間入域観光客数810,700人増に対して年間の収容人数は4倍以上も増えているんですね・・・。
まとめ
観光客の多い夏場や長期連休はともかく閑散期に関しては2-3年前と比べて予想通りの集客が出来ない、もしくは稼働を確保するために室単価を大きく下げている施設様も多いのではないでしょうか?
個人的には沖縄県は供給過多になってしまったなーと感じています。
ちなみに今回は平成29年までのデータですが、OTAの方のお話によると30年の客室増加率はもっと高いようです。
実際設備の充実した大型ホテルでも閑散期は前年より大きく料金を下げる傾向にあるので、中小規模の施設様や年季の入った施設様との料金差も縮まってしまい集客に苦労しているとのご相談も増えてきております。
リアルエージェントからの集客が弱くなり、WEB販売に力を入れている施設様も増えているので在庫と料金さえ入れておけば勝手に予約が入るような時代は完全に終わりましたね・・・。
シンプルなことですが、マーケットを知り販売戦略をしっかりと立てていくことがより重要になってくるなーと感じました。