【1】はじめに
こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
近年、宿泊施設を選ぶ際の消費者行動は、インターネットやSNSの普及により大きく変化しています。
宿泊者は広告を見るだけでなく、検索や口コミ、SNSでの情報共有など、さまざまな情報を参考にしながら宿泊施設を選ぶようになりました。
これまで宿泊者がホテルの予約を検討するタイミングから、宿泊施設を予約するまでさらに宿泊後の行動について、消費者行動の視点から販売方法を考える記事をいくつかご紹介してきました。
<過去ブログ記事>
・弊社ブログ記事:消費者心理を理解して予約を増やす!AIDAモデルで作る共感の仕掛け
・弊社ブログ記事:インターネット社会の消費者心理!AIDMA・AISASモデル
・弊社ブログ記事:消費者心理を攻略!AISCEASとVISASの違いについて考える
今回の記事ではこれまでの記事の振り返りと、更に踏み込んだ販売方法に関する考えを詳細と事例を交えながらご紹介いたします。
宿泊施設に応じてターゲット層や想定するペルソナ等はそれぞれ異なることでしょう。
しかし今回の内容は、宿泊者目線での消費者行動を中心に考えていきます。
その中で、宿泊施設の盲点となっているポイントがあるかもしれません。
ぜひ最後までご覧ください。
【2】消費者行動についてこれまでの記事を振り返る①

さて、これまで弊社ではマーケティング手法として5つのモデルをご紹介いたしました。
それがAIDAモデル、AIDMAモデル、AISASモデル、AISCEASモデル、VISASモデルです。
これらのモデルは、消費者の購買行動を段階ごとに整理し、
それぞれの段階に適したマーケティング施策を行うことで、購買につなげていく考え方です。
まずは基礎となるマーケティングモデルであるAIDAモデル と AIDMAモデル を振り返ってみましょう。
ー基本的な購買行動モデルー
1. AIDAモデル
ユーザーが商品やサービスを知ってから購入するまでの、最も基本的な購買行動モデルです。
A:Attention(認知・注意)顧客の目を引き、ページを訪れてもらう
I:Interest(興味・関心)興味を持たせ、さらに情報を見たくなるようにする
D:Desire(欲求)自社ホテルを「ここに泊まりたい」と思わせる
A:Action(行動)実際の予約に繋げる
2.AIDMAモデル
広告を見たあと、すぐに購入するわけではなく、一度記憶されてから購買に至るケースが多いことを考慮しています。
A:Attention(認知・注意)顧客の目を引き、ページを訪れてもらう
I:Interest(興味・関心)商品やサービスに対し興味・関心を持つ
D:Desire(欲求)商品が欲しい、どこに行きたいなど欲求が生まれる
M:Memory(記憶)商品やサービスを思い出す
A:Action(行動)商品やサービスを購買する
【3】消費者行動についてこれまでの記事を振り返る➁
続いて、特にインターネット社会の消費者心理・消費行動に適応したAISASモデル、AISCEASモデル、VISASモデルを振り返ります。
従来の購買行動モデルに対し、インターネットの普及によって、消費者の行動は「検索」や「情報共有」を含む形へと変化しました。
これらのモデルは、そのような消費行動の変化を反映したマーケティングモデルです。
ーインターネット時代の購買行動モデルー
3.AISASモデル
A:Attention(認知・注意)情報を見て、商品を認知する
I:Interest(興味・関心)商品やサービスに対し興味・関心を持つ
S:Search(検索)商品やサービスを検索・調査する
A:Action(行動)商品やサービスを購買する
S:Share(共有)SNSや口コミで体験を共有する
4.AISCEASモデル
A:Attention(認知・注意)商品やサービスを認知する
I:Interest(興味・関心)商品やサービスに興味を持つ
S:Search(検索)商品やサービスについて検索し、情報を集める
C:Comparison(比較)複数の商品やサービスを比較する
E:Examination(検討)口コミやレビューなどを確認し、購入を検討する
A:Action(購入)商品やサービスを購入する
S:Share(共有)体験や感想をSNSなどで共有する
ーSNS時代の購買行動モデルー
SNSの普及により 「視認(見る)」行動 が重要になったことを反映した購買行動モデルです。
特にSNSや動画コンテンツを通じて商品を知るケースが多い現代の消費行動を表しています。
5.VISASモデル
V:View(視認)広告やSNSなどを通じて商品やサービスを目にする
I:Interest(興味・関心)商品やサービスに興味を持つ
S:Search(検索)商品やサービスについて検索し、情報を集める
A:Action(行動)商品やサービスを購入する
S:Share(共有)購入後の体験をSNSなどで共有する
購買行動モデルは、インターネットやSNSの普及により、
「視認」や「検索」「共有」といった行動が重要な要素となるように変化してきました。
各モデルの詳しい解説については、それぞれの記事でも紹介していますので、
気になるモデルがあればぜひあわせてご覧ください。
【4】7つの価格とは?具体例をご紹介

ここまで、消費者が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの購買行動モデルについて振り返ってきました。
次に、購買行動に大きく影響する要素の一つである「価格」について見ていきましょう。
①名声価格
高価格に設定することで特別感や高級感を演出する手法
あえて安売りせず高価格を維持することで、価格の高さが安心感や満足度につながります。
<具体例>
「なぜ高い商品が売れるのか」という点について考えてみましょう。
一般的に商品は、価格が安いほど売れやすいと考えられがちです。しかし、すべての商品に当てはまるわけではありません。
例えば、露天風呂付き客室やプライベートプール、サウナ付きの高級旅館やヴィラなど、特別な体験を提供する宿泊施設の場合です。こうした施設は、誕生日や記念日など「特別な時間」を過ごす目的で選ばれることが多く、価格が安すぎるとかえって不安に感じるお客様も少なくありません。
むしろ「価格が高いからこそ価値がある」「高いからこそ特別な体験ができるはずだ」といった心理が働き、価格の高さが安心感や満足度につながるケースもあります。
そのため、単純に価格を下げるのではなく、客室設備やサービスなどの付加価値を高めることで、結果的に予約が増えることも少なくありません。
宿泊施設においては、価格を下げる戦略だけでなく、価値を高めて価格を維持する戦略も重要な考え方と言えるでしょう。
➁端数価格
価格をきりの良い整数ではなく、端数で設定することで割安感を演出する手法
人は左側の数字に強く影響を受けるため、心理的な負担が軽く感じられます。
<具体例>
例えば、宿泊プランを「10,000円」ではなく「9,800円」で販売することで、価格の印象を抑えながら予約につなげることができます。
同様に、夕朝食付きプランも「20,000円」ではなく「19,800円」と設定することで、価格の心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
このような端数価格は、宿泊業界だけでなく多くの業界で活用されている基本的な価格戦略の一つです。
特にオンライン予約サイトでは価格比較がされやすいため、端数価格を取り入れることで、競合施設との差別化や予約率の向上につながる可能性があります。
③段階価格
「松竹梅」の法則ともいわれており、複数の価格帯(グレード)を設ける手法
選択肢があることで比較がしやすくなり、特に中間価格帯が選ばれやすくなる傾向があります。
<具体例>
ホテルの販売では、客室タイプごとに価格を分けることが一般的ですが、これも段階価格の一例です。
例えば、以下のように客室タイプごとに価格差を設けます。
・スタンダードルーム 18,000円
・デラックスルーム 25,000円
・スイートルーム 40,000円
このように段階的な価格設定を行うことで、多くのお客様は「せっかく泊まるなら少し良い部屋にしたい」という心理が働き、真ん中の価格帯であるデラックスルームを選びやすくなります。
また、段階価格は客室タイプだけでなく、宿泊プランにも活用することができます。
例えば、朝食付きプランの予約を増やしたい場合、朝食付きプランだけを販売するのではなく、前後の価格帯となるプランも用意することで、選ばれやすくなる可能性があります。
・素泊まり 9,800円
・朝食付き 14,800円 ←売れ筋商品
・夕朝食付き 19,800円
このように段階を設けることで、お客様は価格とサービス内容を比較しながら、自分に合ったプランを選びやすくなります。
段階価格は、予約率の向上と客単価アップの両方を狙える価格戦略として、多くの宿泊施設で活用されています。
④慣習価格
競合の相場や消費者が想定する「妥当な価格」を設定する手法
相場に沿った価格は安心感につながります。
<具体例>
例えば、ビジネスホテルの市場の一般的な価格は、おおよそ6,000円~9,000円程度が一般的と考えた場合、この価格帯を大きく超えてしまうと、特別な付加価値がない限り予約につながりにくくなります。
そのため、周辺の競合施設の価格を参考にしながら、消費者が「この価格なら妥当」と感じる範囲で設定することで、違和感なく選ばれやすくなります。
また、このホテルはこの価格帯と認識が根付いてしまうことも慣習価格に繋がります。
慣習価格と紐づいた商品は値下げをしても需要が大きく増えることはない一方、値上げすると極端に需要が落ちる傾向があると言われています。
慣習価格は特に、ビジネスホテルや都市型ホテルなど、競合施設が多いエリアで重要な価格戦略です。
そのため、市場の相場を理解し、その中で適切な価格設定を行うことが、安定した予約獲得につながります。
⑤均一価格
商品やサービスを一律の価格で提供する手法
価格比較の必要がなくなることで判断の負担が減り、選択がスムーズになります。
<具体例>
グランピング施設や貸切ヴィラなどで「全棟一律35,000円」といった形で販売するケースがあります。
客室ごとの価格差をなくすことで、お客様は設備や雰囲気などを基準に部屋を選ぶことができ、価格による迷いを減らすことができます。
また、ファミリー向けの宿泊施設で「1泊1棟○○円」といった均一価格にすることで、人数や部屋タイプを細かく気にせず予約できる点も魅力です。
均一価格は、特に貸別荘・ヴィラ・グランピング施設などの少棟数施設で活用されることが多く、シンプルで分かりやすい販売方法として効果的な価格戦略の一つです。
⑥抱き合わせ価格
複数のサービスを組み合わせてセットにして販売する手法
単体で別々に購入するよりもお得に感じやすく、全体の価値が高く認識されます。
<具体例>
例えば、宿泊と食事をセットにしたプランがあります。
通常は、
・宿泊 20,000円
・夕食 8,000円
となり、合計は28,000円になります。
これを「夕朝食付き宿泊プラン 25,000円」として販売することで、お客様には「セットでお得」という印象を与えやすくなります。このように複数のサービスを組み合わせて販売する方法を抱き合わせ価格といいます。
また、最近では宿泊と体験を組み合わせたプランも増えています。
・宿泊+BBQセット
・宿泊+サウナ利用
・宿泊+アクティビティ体験
さらに、夕食付きプランの予約を増やしたい場合には、「2泊で1回夕食付きサービス」といった形で販売することも、抱き合わせ価格を活用した方法の一つといえます。
このように複数のサービスを組み合わせることで、宿泊だけではなく「体験価値」を提供することができ、お客様の満足度向上にもつながります。
抱き合わせ価格は、客単価アップとサービス利用促進の両方を実現できる価格戦略として、多くの宿泊施設で活用されています。
⑦プライスライニング
バラバラな価格の商品を複数の価格帯に絞って商品やプランを整理する手法
予算や目的に応じた比較がしやすくなります。
<具体例>
プライスライニングの代表的な例として挙げられるのが、お歳暮やお中元です。
お歳暮やお中元は、お世話になった方へ感謝やお礼の気持ちを込めて贈り物をする習慣ですが、感謝の気持ちは本来金額で表しづらいものです。そのため、「どのくらいの価格のものを贈ればよいのか」と悩む方も少なくありません。
そこで多くの売り場では、2,000円・3,000円・5,000円といったように、予算に応じた商品ラインナップが用意されています。価格帯ごとに商品が整理されていることで、購入者は自分の予算に合った商品を選びやすくなります。
このように、あらかじめ価格帯を設定し、その価格ごとに商品を展開する手法をプライスライニングと呼びます。
一方で、段階価格とプライスライニングは似ているように見えますが、その目的には違いがあります。
段階価格は、複数の価格帯を用意し「比較させることで選ばせる」ことが目的です。そのため、真ん中の価格帯を選んでもらうように設計されることが多くあります。
これに対してプライスライニングは、価格帯ごとに商品やサービスを整理し、「分かりやすく選びやすくする」ことが目的です。価格ごとに内容や価値が明確に分かれている点が特徴です。
ここまで価格戦略についてご紹介してきましたが、一つ考えてみてください。
もしあなたが、1個500円の「こだわりの高級プリン」をスーパーの催事場で販売するとしたら、どちらの価格をつけるでしょうか。
・498円 少しでも安く見せて、多くの人に手に取ってもらう価格設定
・500円 あえて安売りせず、品質の高さや特別感をアピールする価格設定
どちらが正解というわけではありません。
どのような戦略で売りたいのかによって、選ぶべき価格設定は変わります。
このように、価格は単なる数字ではなく、商品の価値やブランドイメージを伝える重要なマーケティング要素でもあります。
【5】おわりに
いかがでしたか?今回はお客様の心理に訴える7つの価格についてご紹介いたしました。
それぞれのホテルにおいて提供するサービスや特徴は異なり、対象とするお客様も異なります。
しかし、施設をご覧いただくお客様の心理は必ずしも異なるとは限りません。今回の記事を参考に、各施設の販売方法を見直し、ホテルに合った販売ができているか再確認できる機会にしていただけますと幸いです。
ファイブスターコーポレーションでは宿泊施設とユーザーとそれぞれの視点から、より良い販売のサポートを行います。「興味はあるけれど、設定が難しそう」「どこから手をつけていいのか分からない」など、ホテルのWEB集客でお悩みの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました
3月01日 :高嶋ちさ子 コンサートツアー@沖縄コンベンションセンター
3月01日 :FIBAバスケ アジア2次予選@沖縄サントリーアリーナ
3月05日~08日:ダイキンオーキッドレディースゴルフトーナメント
3月08日 :森山直太朗 Two jobs tour@那覇文化芸術劇場なはーと
3月14日~15日:ラリーチャレンジ2026 @本部町・今帰仁村
3月20日~22日:HY SKY Fes2026@県総合運動公園






