こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
先日のブログでユーザーの獲得に向けたマーケティング手法の一例を2件ご紹介しました。
今回はその続編として、「AISCEAS(アイシーズ)」「VISAS(ヴィサス)」についてお話ししたいと思います。
消費者モデル前編のおさらいをしたい方は、前述の記事をご参考にいただけますと幸いです。
【1】購買行動と消費者行動の違いについて
購買行動は、消費者が商品やサービスを購入するまでの一連のプロセスを指します。
混同されがちな「購買行動」と「消費行動」ですが、二者の違いについて解説します。
「購買行動」と「消費者行動」は、どちらも消費者の意思決定プロセスに関係しますが、それぞれ指す範囲や焦点が異なります。
1. 購買行動
定義:消費者が商品やサービスを「購入する」過程や行動そのものを指します。
◆特徴
・購買に焦点を当てた具体的な行動
・主に「どこで、何を、どのように購入するか」に関心を持つ
・購入プロセスにおける決定的な瞬間に着目
例)商品を比較して選ぶ、購入を決定する、店舗やオンラインで購入する
2. 消費者行動
定義:消費者が商品やサービスに関する「全体的な行動」を指し、購買行動を含む広範なプロセスを扱います。
◆特徴
・購買行動だけでなく、購買前後の行動も含む
・心理的要因、社会的要因、文化的要因など、多様な要素が影響を与える
例)商品を選ぶ理由、購入後の満足度、口コミの発信、廃棄行動
購買行動と消費者行動の違いについて
項目 | 購買行動 | 消費者行動 |
---|---|---|
範囲 | 購入に直接関連する行動 | 購買行動を含む消費者の全体的な行動 |
焦点 | 購入の意思決定やその実行 | 購買前後の心理・行動も含む幅広い領域 |
例 | オンラインショップでの購入手続き | 広告に影響されて商品を比較する過程、口コミ投稿 |
主な要素 | 購買決定、購入チャネル、価格など | 動機、感情、文化、社会的影響など |
購買行動は消費者行動の一部であり、消費者行動は購買行動を超えた包括的な概念といえます。
購買行動の分析により、特定の消費者グループがどのような要因で購入を決定するかを明らかにでき、消費者が反応しやすいプロモーションを設計できます。
【2】AISCEASとは?
消費者の購買行動プロセスを理解するためのフレームワークの一つで、特にデジタル時代の消費行動に適応したモデルとして注目されています。このモデルは、消費者が商品やサービスを購入する際のプロセスを7つのステップで表現しています。
AISCEASの各ステップ
A: Attention(注意)
消費者が商品やサービスに初めて気づく段階。
広告や口コミ、SNSなどで認知されることが重要。
例) SNS広告で新商品の存在を知る。
I: Interest(関心)
商品やサービスに興味を持つ段階。
興味を引き続けるために、魅力的な情報提供が必要。
例) 商品の特長や価値を記載したウェブページを閲覧する。
S: Search(検索)
商品やサービスについてさらに詳しい情報を調べる段階。
検索エンジンやレビューサイトなどが重要な役割を果たす。
例)「○○商品 レビュー」などで検索して口コミを見る。
C: Comparison(比較)
他の商品やサービスと比較する段階。
価格、品質、機能などの違いを検討。
例) 同価格帯の商品とスペックや価格を比較。
E: Examination(検討)
商品やサービスの購入を真剣に検討する段階。
実際に店舗で商品を確認することも含む。
例) 店舗で実物を確認し、スタッフに質問する。
A: Action(購入)
商品やサービスを購入する段階。
購買に至る際の手軽さや購入後のフォローが重要。
例)ECサイトでオンライン購入。
S: Share(共有)
購入後、体験や感想をSNSやレビューサイトで共有する段階。
ポジティブな共有は口コミ効果を生み、次の顧客を呼び込む。
例)SNSに「買ってよかった!」と投稿する。
AISCEASが重要な理由
各ステップで消費者がどのような行動を取るかを明確にすることで、消費者行動を可視化することができ、適切なマーケティング施策を展開に繋がります。
また、検索(Search)や共有(Share)のステップが含まれており、インターネットやSNSの影響を強く受ける現代の消費行動を反映することができます。
【3】VISASとは?
消費者行動のプロセスを理解するためのもう一つのフレームワークで、特に商品やサービスの購入に至る過程を明確にすることを目的としています。
AISCEASと類似していますが、やや簡潔で、重点を異なる側面に置いています。
VISASの各ステップ
V: View(視認)
消費者が商品やサービスに「気づく」段階。
広告や店舗のディスプレイ、SNS投稿などを通じて認知される。
例: デジタル広告で商品の存在を知る。
I: Interest(関心)
商品やサービスに「興味を持つ」段階。
興味を喚起するための情報提供や魅力的な訴求が必要。
例: 商品の特長やベネフィットを記載したウェブ広告をクリック。
S: Search(検索)
消費者が商品について「調べる」段階。
検索エンジン、SNS、レビューサイトで情報収集を行う。
例: 商品の価格やレビューをオンラインで調査。
A: Action(行動)
商品やサービスを実際に「購入する」段階。
購買体験のスムーズさが重要なポイント。
例: ECサイトでカートに追加して購入完了。
S: Share(共有)
商品やサービスに関する体験を「共有する」段階。
SNSや口コミサイトで感想や意見を発信する。
例: 商品の感想をInstagramに投稿。
VISASが重要な理由
購買行動プロセスを5つのステップで簡潔に説明し、マーケティング戦略の立案を支援します。
また、「Share(共有)」の段階での口コミやレビューが次の消費者行動に影響を与える点から購買後の影響を重視していることから、消費者が検索や共有を行うデジタル時代の特徴を反映することができます。
【4】まとめ
項目 | AISCEAS | VISAS |
---|---|---|
ステップ数 | 7ステップ | 5ステップ |
構成要素 | Attention, Interest, Search, Comparison, Examination, Action, Share | View, Interest, Search, Action, Share |
焦点 | 消費者行動の詳細なプロセスを網羅。購買前・購買後の行動までカバー | 簡潔で実用的なプロセスにフォーカス |
詳細さ | より詳細に消費者の購買プロセスを分析可能 | 短いプロセスや単純な購買行動の分析に適している |
主な特徴 | – 比較(Comparison)や検討(Examination)を重視 | – シンプルで直感的 |
– デジタル時代の消費者行動に対応 | – デジタルマーケティングに特化 | |
適した場面 | – 複雑な購買行動(高価格商品、長期間の意思決定が必要な商品) | – 短期間で完結する購買行動(低価格商品、即時購入) |
マーケティングへの応用 | – 詳細なセグメント分析や消費者心理の把握に役立つ | – シンプルな施策立案、短期的な効果測定に最適 |
どちらのフレームワークも、消費者行動の理解を深め、適切なマーケティング施策を策定するための強力なツールです。目的や対象商品、マーケティング戦略に応じて使い分けると効果的です。
【5】さいごに
今回は以前に投稿しました消費者モデルに加え、AISCEASとVISASをご紹介しました。
今後の消費者行動モデルは、デジタル技術の進化、社会環境の変化、消費者の価値観の多様化に伴い、さらに進化すると考えられます。
これにより、従来の消費者行動モデルに新しい要素や視点が加わる可能性があります。
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今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。