こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
近年、旅行業界ではSNSの活用が急速に拡大し、宿泊施設の集客手段としても非常に重要な役割を担うようになってきました。
これまではWeb検索やOTAを利用して宿泊先を決めるのが一般的でしたが、近年では、SNSの投稿を参考に旅行先や宿泊施設を選ぶ動きも少しずつ広がりつつあります。
そこで本記事では、SNSの普及によって宿泊予約の流れが変化しつつある今、宿泊施設が今後の集客で意識すべきポイントをご紹介します。
【1】検索から“発見”へ
これまで、多くはの旅行者は旅の計画を立てる際、検索エンジンでの検索から始まり、宿泊先を探して比較、レビューを参考にしながら決定するというスタイルが一般的でした。
しかし近年、SNSの急速な普及により、旅行者の情報収集の方法や考え方に大きな変化が起きています。特にTikTokやInstagramなどの動画や写真を中心としたSNSでは、魅力的な投稿やリアルな体験を共有するインフルエンサーや一般ユーザーが増えたことで、「ここに行きたい!」という強い感情や共感を抱く機会が格段に増えました。
こうした変化により、旅行計画の出発点が「検索」から「発見」へとシフトしつつあります。SNSのアルゴリズムはユーザーの興味・関心に合わせて関連動画や投稿を自動で推薦するため、偶然の出会いや新しい発見が日常的に起きています。つまり、SNSは単なる情報収集の場を超え、旅行先や宿泊施設を知り、興味を持ち、さらには予約まで進むための重要なプラットフォームへと進化を遂げています。
その象徴的な出来事が、先日発表されたTikTokとBooking.comの連携です。
動画を見て興味を持ったその場で予約まで完結できる仕組みが一部でスタートし、新たな集客チャネルが広がりつつあります。
宿泊施設にとって、これは単なるニュースにとどまらず、集客戦略の考え方を見つめ直すきっかけにもなるかもしれません。
【2】SNSが旅行需要に与える影響
旅行調査会社フォーカスライトの調査によると、旅行者の約3分の2がSNSで見たコンテンツをきっかけに旅行を決定しているというデータがあります。SNSはもはや単なる「見るだけの場」ではなく、旅行先や宿泊施設を選ぶための「インスピレーションを与える重要な場」としての役割を果たし始めています。
これにより、宿泊施設にとって 「SNSで見つけてもらうかどうか」=「予約に繋がるかどうか」に大きく直結する時代が到来したことが分かります。
また、SNS上ではユーザー同士がリアルタイムでコメントや口コミを共有しているため、旅行者にとって身近で参考にしやすい情報源となっています。
こうした生の声が、宿泊施設自身の発信内容と組み合わさることで、ブランドイメージを形成し、集客力の向上に大きく関ってきます。
さらに、SNSの利用層は若年層だけでなく幅広い年代に広がっており、あらゆる層へのリーチが期待できる点も見逃せません。

【出典】トラベルボイス「https://www.travelvoice.jp/20250906-158331」
【3】TikTok × Booking.com の新サービスとは?
今回の連携により、旅行者は以下の流れでスムーズな宿泊予約が可能になります。
・TikTokでホテルや観光地の動画を視聴
・アプリ内ブラウザで価格・空室状況・レビューを確認
・そのままTikTok上での操作で、Booking.comとして予約を完了
・予約確認はTikTokのメッセージボックスに届く
この一連の流れにより、SNSの中で「宿泊施設の発見」から「予約完了」までがワンストップで完結できる仕組みが実現しました。
また、クリエイターが動画に宿泊施設や体験のリンクを貼り、予約の成果に応じて報酬が得られる「TikTok Go」も同時に展開されています。
宿泊施設にとっては、影響力のあるクリエイターやインフルエンサーとつながりやすくなることで、新たな集客チャネルを開拓するチャンスとなります。
現在は米国の一部ユーザーを対象としたテスト運用段階ですが、今後、世界的に本格展開される可能性は高いと見られます。
この流れに乗り遅れず、積極的に取り入れていくことが、今後の競争力を左右する鍵となるでしょう。

【4】宿泊施設に求められる対応
今回のようなTikTokとBooking.comの連携は、単なる新機能ではなく、旅行者の行動が変わりつつあることを表していると言えます。
SNSを通じた集客が加速する中で、宿泊施設に求められるのは「発見されやすい存在になること」と「予約までの導線を整えること」です。具体的には以下のポイントが重要になります。
・SNSの活用
プロが撮影した写真や動画だけでなく、ユーザーの共感や興味を引く「リアルな体験をイメージさせるコンテンツ」が効果的です。
客室や食事、周辺観光スポットをストーリー仕立てで紹介したり、短尺動画やリールを活用することで拡散されやすくなります。
・予約導線の最適化
TikTokやInstagramで見た瞬間に「ここに泊まりたい」と思わせ、そのままスムーズに予約へと進める導線を用意しておくことが求められます。
SNSプロフィールへ予約ページを設置したりなど、予約までのハードルを下げる工夫も重要です。
・インフルエンサーとの連携
発信力のあるクリエイターとのコラボレーションは、ターゲット層への強力なアプローチ手段となります。
ただし、施設のブランドや想定する客層とマッチしないインフルエンサーは逆効果になる可能性もあるため、継続的に信頼関係を築けるかつ相性の良いパートナー選びが鍵といえます。
【5】おわりに
SNSの普及により、旅行者の行動は「検索して探す」から「SNSで見つけて予約する」へと、大きく変化しつつあります。
TikTokとBooking.comの連携は、その象徴的な事例のひとつであり、今後はSNSを起点とした宿泊予約が、さらに一般化していくと予想されます。
こうした変化を、単なる一過性のトレンドとして捉えるのではなく、自施設の集客戦略にいかに取り込むかが、今後の競争力を左右するポイントです。
SNS上での発見から予約までの導線をスムーズに整え、魅力的なコンテンツ発信やユーザーとの積極的な関わりを通じて、選ばれる宿泊施設を目指しましょう。
弊社では、施設様ごとの課題や目的に合わせたサポートを行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。





