行動経済学から学ぶ『選ばれるプラン』の作り方

こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
ホテルのプラン作りにおいて、「良い内容なのに売れない」「選ばれにくい」と感じたことはありませんか?
もしかすると、それは「人間の意思決定のクセ」を理解していないからかもしれません。
今回は、人の非合理的な行動パターンを研究する新しい学問「行動経済学」から、ホテルプラン販売に役立つ理論を説明していきたいと思います。

はじめに「行動経済学とは?」

行動経済学(Behavioral Economics)とは、経済活動における人間の意思決定を心理学の観点から研究する学問です。
従来の経済学が「人は合理的に判断する」ことを前提にしていたのに対し、行動経済学では「人は非合理的な行動をすることがある」という現実を出発点としています。

たとえば…

『明日早起きなのに、つい夜更かししてスマホを見てしまう』
『好みじゃない服でも「セール」だからと買ってしまう』

こうした**わかっていてもやってしまう行動のメカニズム**を解明するのが行動経済学です。

ホテルの販売プランでも、「人がどう選び、どう決断するか」を理解することは非常に重要です。
今回ご紹介する行動経済学の理論を、プラン販売に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

【1】選択肢が多すぎると選べない!?「選択オーバーロード」とは

人は多くの選択肢を好む傾向がありますが、実際には選択肢が多すぎると決められずに離脱してしまうという矛盾を抱えています。
これを「選択オーバーロード」と言います。

この現象は、以前ブログで紹介いたしました ジャムの法則として知られています。

販売プランは選択肢が多いと選べない?!「ジャムの法則」とは

新しいプランを販売、展開するだけして、プラン数が多くなっていることはございませんか?
多すぎるプラン数は決められず、離脱してしまいます。対策として・・・

対策:
・同じような内容のプランはないか都度見直し
・メニュー画面には「おすすめ」や「人気」などのラベルを追加
・迷わせず“決めさせる”工夫が必要

【2】さりげなく誘導する「ナッジ理論」

ナッジとは『軽くつつく』ということを意味します。顧客に自発的に行動してもらうための仕掛けです。
例えば、飲食店で料理やドリンクのメニューが多くあるお店でも迷わず注文してほしい場合、「本日のおすすめ」を作り顧客を『軽くつつく』ことで選択オーバーロードを防ぐことができます。
また、顧客は多くのメニューから楽に決めることができ、自分で選択したことで満足感も得ることができます。

例:
・「本日のおすすめプラン」を目立つ位置に表示
・「人気プラン!」や「〇〇%の方が予約」など統計的な後押し
・朝食付きが選ばれやすいよう「朝食無料」ではなく「朝はゆっくり楽しむ贅沢時間」と表現してみる

【3】予約時期によって伝え方を変える「解釈レベル理論」

人は、先の予定は抽象的に、直近の予定は具体的に考えるというのが「解釈レベル理論」です。
たとえば1年後の旅行は「癒し」や「特別な時間」といったイメージで考えますが、明日の旅行となると「駅から近い」「何時に着く」といった具体的なことに意識が向くことを言います。

この傾向をプラン販売に活用してみるのはいかがでしょうか。

早割など未来の予約には:
「非日常を感じるリトリート」
「四季を感じる温泉旅」など、イメージを膨らませる抽象的表現が効果的 

直前予約には:
「駅から徒歩3分」「今だけ○○%OFF」
「レイトチェックアウト無料」など、具体的な利便性や特典を前面に出す

 
予約時期に合わせて表現を変えると、旅行のイメージがしやすくなるのではないでしょうか。

【4】表現次第で印象が変わる「フレーミング効果」

同じ内容でも、伝え方次第で印象が大きく変わる。これが「フレーミング効果」です。例えば…

「A:赤身75%の牛肉」
「B:脂肪25%の牛肉」

どちらが美味しそうに感じるでしょうか?
「A:赤身75%の牛肉」の方が高評価で、おいしそう、脂っこくなさそう、品質が高そうという意見だったようです。
中身は全く一緒ですが、表現一つで印象が変わります。

プラン販売において「チェックインの時間厳守」や「連泊の清掃不可」などややネガティブな印象を与える表現も、記載する場合がございますが、言い回しを工夫することでネガティブな印象を和らげることができます。

ネガティブ印象を和らげる表現例:
×「チェックイン時間は厳守です」→ ○「時間に余裕をもってお越しください」
×「連泊時の清掃なし」→ ○「ECOの観点から清掃は控えております」

 
小さな工夫が、大きな安心感や印象の差につながります。

【5】最初の価格が基準になる「アンカリング効果」

「アンカリング効果」とは、最初に提示された情報がその後の判断に強く影響を与えるという心理効果です。
「アンカー」とは船の錨(いかり)のことを指します。人は、最初に受け取った情報が“心の錨”となり、それを基準に他の情報を判断してしまう傾向があります。

たとえば、セール表示で「通常価格12,000円」が取り消し線で表示され、その下に「特別価格9,800円」とある場合、多くの人は「お得だ」と感じます。
これは最初に見た「通常価格」がアンカーとなり、値引き後の価格がより魅力的に映るためです。
このアンカリング効果は、Booking.com、Expedia、AgodaなどのOTAでも活用されていて、プロモーション表示における定番の手法となっています。

価格表示の工夫:
「通常価格 12,000円 → 今だけ 9,800円」
「30%OFF・3室限定!」など、お得感と緊急性の演出

 

【6】さいごに

今回は、行動経済学の中からホテル販売に役立つ5つの心理的アプローチをご紹介しました。
弊社は、施設ごとの特性や地域性、お客様層に合わせたプラン作りを大切にしています。

「プラン作りにつまずいている」「販売戦略を見直したい」とお考えの施設様は、ぜひ一度ご相談ください。
施設様に合わせた効果的な販売方法をご提案、設定までサポートさせていただいておりますので、ぜひお任せください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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