2026年度導入予定!沖縄県の宿泊税の目的と使い道とは?

こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
近年、観光地としてますます注目を集めている沖縄県ですが、国内外から多くの旅行者が訪れる一方で、観光客の増加による混雑・環境負荷・インフラ整備など、さまざまな課題も浮き彫りになってきました。こうした課題に対応するため、沖縄県でも2026年度後半に「宿泊税」の導入が予定されています。「よく名前は聞くけれど、そもそも宿泊税ってなに?」「どんなことに使われるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
そんな疑問にお答えする為、今回は宿泊税についてわかりやすく解説していきます。
過去にも宿泊施設が行うべき対応についてご紹介しておりますので、よければ合わせてご確認ください。

【1】宿泊税とは?

宿泊税とは、ホテル・旅館・民泊などに宿泊する際、宿泊料金とは別に支払う税金のことです。
地方自治体が独自に導入できる「法定外目的税」の一つで、観光振興など特定の目的に活用されます。
全国的にも東京・大阪・京都・福岡など、観光地を中心にすでに導入が進んでおり、
都道府県や市区町村が独自に条例を定めるため、課税条件や金額は自治体によって異なります。

沖縄県の宿泊税は次のとおりです。
✅宿泊料金(素泊まり)に対して定率2%(1泊1人あたり上限2000円)
✅修学旅行生・部活動などは課税対象外
✅宿泊施設が徴収して納付する「特別徴収方式」

日本では多くの自治体が「定額制」を採用していますが、沖縄県が導入する「定率制」は宿泊料金に応じて税額が変動するのが特徴で、素泊まり料金の算出や税額計算が必要となります。宿泊税の導入によって沖縄観光の質の向上が期待される一方で宿泊事業者にはシステム改修や徴収・納付といった新たな事務対応が求められる点にも留意が必要です。

【2】沖縄県が宿泊税を導入する理由

沖縄県が今後も「世界から選ばれ続ける持続可能な観光地」を目指すには、
旅行者一人ひとりの消費単価の向上や滞在日数の延伸、交通や宿泊の満足度向上など、
観光の「」だけではなく「」を高めていく取り組みが欠かせません。

必要とされる取り組みの例としては、
・沖縄でしか体験できない歴史・文化を活かした観光商品の開発
・安心して旅行者を受け入れるための体制整備
・観光産業を支える人材の確保・育成
・MICE振興や地産地消の促進による高付加価値化
・観光増加による混雑・自然環境への負荷といった“弊害”の未然防止
などが挙げられます。

こうした課題にしっかりと対応していくためには、安定的かつ持続的な財源の確保が不可欠です。その重要な財源のひとつとして位置づけられているのが、宿泊税です。
これらを継続的に進めるための安定した財源を確保することを目的に、沖縄県では宿泊税が導入されることになりました。
宿泊税は、「沖縄観光の質を向上させ、納税者(県民・観光事業者・旅行者)へ利益を還元すること」として活用される予定です。
それでは、具体的にどのような取り組みに充てられるのかをご紹介していきます。

【3】宿泊税はどこへ使われるのか?

宿泊税は、沖縄をより良い観光地として発展させるために、さまざまな分野での取り組みに活用される予定です。
ここでは、それぞれの目的と主な取り組み内容をご紹介いたします。

(1)安全・安心で快適な観光の実現
▶観光地での事故防止や、災害への備えを強化し、旅行者が安心して滞在できる環境を整えるための取り組みです。
<主な取り組み例>
・観光危機管理体制の強化
・災害時の備蓄品の充実
・マリンレジャー事故防止対策
・道路標識・案内表示の改善 など


(2)旅行者・県民・観光事業者の満足度向上
▶観光地での移動(=二次交通)を便利にしたり、施設の受入環境を改善することで、旅行者の体験価値を高める取り組みです。
<主な取り組み例>
・観光二次交通(バス・シャトル等)の充実
・観光関連施設の受入環境整備
・観光人材の確保・育成支援
・DX推進による観光産業の高度化 など


(3)自然環境・景観の保全、ブランド力向上
▶沖縄の美しい自然や文化を守りながら、観光地としてのブランド力を高める取り組みです。
<主な取り組み例>
・観光地や道路の美化活動
・サンゴ礁保全や再生活動の促進
・自然・文化の保全活動支援
・旅行需要の平準化(混雑対策) など


(4)文化芸術・スポーツの振興
▶沖縄ならではの文化・芸術、スポーツの魅力を観光に活かす取り組みです。
<主な取り組み例>
・歴史・伝統文化・芸能などを活用した観光コンテンツづくり
・空手ツーリズムの受入体制整備
・スポーツコンベンションの推進 など


(5)持続可能な地域社会の実現(県民理解の向上)
▶観光による恩恵と負荷のバランスを取りつつ、県民・旅行者双方にとって良い観光地を目指す施策です。
<主な取り組み例>
・オーバーツーリズム対策
・サステナブルツーリズムの推進
・観光への県民理解の促進
・DMO(観光地域づくり法人)の機能強化 など


(6)市町村への配分(税を導入しない自治体が対象)
▶宿泊税を導入しない市町村にも観光振興のための予算を配分し、地域間のバランスを保ちながら観光地づくりを進める仕組みです。
<主な内容>
宿泊税を導入しない市町村への補助金・交付金による支援を検討


宿泊税は、このように「観光の安全」「利便性」「環境」「文化」「地域づくり」など、幅広い分野に活用される予定です。
結果として、宿泊事業者にとっても “選ばれる沖縄の基盤づくりにつながる税” といえます。
出典:沖縄県公式サイト(宿泊税の導入について)

【4】おわりに

宿泊税の導入にあたり、税システムの改修費、課税・徴収業務の事務コストなど、宿泊事業者にとってはさまざまな費用が発生します。
沖縄県では、こうした負担を軽減するため、会計システムなどの改修が必要となる宿泊事業者への支援(補助)を行う方針を示しています。補助の具体的な内容や手続きについては、今後詳細が発表される見込みのため、新しい情報が公表され次第、当ブログでも改めてご紹介できればと思います。
ファイブスターコーポレーションでは、施設様ごとの状況に合わせたサポートを行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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