こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
先日のブログで「消費者心理を理解して予約を増やす!AIDAモデルで作る共感の仕掛け」をテーマに、ユーザーの獲得に向けたマーケティング手法の一例をお伝えいたしました。
今回はその応用編として、特にインターネット社会の消費者心理に訴えるマーケティング手法、「AIDMAモデル」と「AISASモデル」についてお話します。
記事の目次
インターネット時代におけるAIDMA・AISASモデル
はじめに、AIDMAモデルとAISASモデルの概要をご説明いたします。まずはAIDMAモデルです。
AIDMAモデルは、以前ご紹介したAIDAモデルであるAttention、Interest、Desire、Actionの4つの購買行動に“Memory(記憶)”を新しく加えたフレームワークとなります。
マスメディアやインターネットが普及した時代に沿って、企業の宣伝広告のあり方にも変化がありました。企業がマスメディアやインターネットを通して消費者へ商品やサービスを発信する機会が増えたことは言うまでもないかと思いますが、それと同時に消費者としても商品やブランドを思い出す、という購買行動のステップが生まれたわけです。
『AIDMAモデル』
- Attention(認知・注意):情報を見て、商品を認知する
- Interest(興味・関心):商品やサービスに対し興味・関心を持つ
- Desire(欲求):商品が欲しい、どこに行きたいなど欲求が生まれる
- Memory(記憶):商品やサービスを思い出す
- Action(行動):商品やサービスを購買する
続いてAISASモデルです。AISASモデルとは、Attention・Interest・Search(検索)・Action・Share(共有)の頭文字を組み合わせた購買行動モデルの一つとなります。
AIDMAモデルの登場と同様、インターネットやSNSの普及に伴い生まれた購買モデルのひとつとされます。企業から一方向の情報ではなく、消費者から検索をしたり、実際に購買後の評価を口コミやSNSへの発信が行われるといった、消費者サイドの行動が変化した時代を表すモデルとなっております。
『AISASモデル』
- Attention(認知・注意):情報を見て、商品を認知する
- Interest(興味・関心):商品やサービスに対し興味・関心を持つ
- Search(検索):商品やサービスを検索・調査する
- Action(行動):商品やサービスを購買する
- Share(共有):体験を共有する
それでは、これらのステップを使いながら、OTAでどのように戦略的なアプローチを取るべきか解説していきます。
1. “Memory”(記憶):お客様へ思い出していただく
1つ目に、AIDAモデルからAIDMAモデルに加えられた“Memory”(記憶)について考えます。
お客様へ商品やサービスを思い出していただくには広告などでの露出が必要になります。
いかに魅力ある商品や優れたサービスだったとしてもお客様の目に留まらないと意味がありません。
例えばテレビCMや電車などでのつり革広告、インターネット上でのリスティング広告、店頭でのチラシ配布やSNSでの情報発信など、どれも費用がかかることもございますが重要なマーケティングの一環になります。
- OTA上での広告:OTAではセール参画や手数料追加による追加露出、リスティング広告(検索連動広告)枠を購入するなどの施策があります
- 宿ニュースや宿ログでの露出:OTAによって提供される施設が投稿できるブログページやお知らせページを活用し情報を発信することができます
- ロイヤルティプログラムの導入:リピーター獲得のため、一度ご利用いただいた方へメルマガの配信や独自ポイントの提供により、顧客獲得を図ります
OTAで行えることとして、露出を増やすことで目に触れていただき、また次回見られた際に思い出され、購買に繋がるというサイクルを目指すための取り組みになります。
また、ロイヤルティプログラムについては弊社ブログにて以前ご紹介させていただきましたので気になる方はぜひこちらもご覧ください。
▼弊社ブログ:「ロイヤルティプログラム:顧客愛着心を築く新たな戦略」
▼弊社ブログ:「楽天トラベル新機能「ニュース&トピックス」活用出来ていますか?」
2. “Search”(検索):商品を検索し比較検討いただく
2つ目に、AISASモデルで現れた “Search”(検索)について考えます。
現在はリアルエージェントからオンラインエージェントへ旅行商品の取り扱いのボリュームは移行してきており、ユーザーはより広い情報の海からホテルを調べることになっております。
その中でホテルを見つけてもらうため、ご予約いただくためには魅力の発信が必要不可欠となります。何が求められるか、何を提供できるかを整理し、販売につなげましょう。
- 強みや魅力の発信:ユーザーの比較項目としては価格、立地、サービス、コンテンツなど様々ございます。施設の魅力をハッキリとさせ発信することが求められます。
- 口コミ促進の取り組み:ユーザーが感じたままを発信する口コミの影響は大きく、口コミから伸ばせるところは伸ばし、改善できるところは見直すなどの取り組みが重要となります。
- SEO/MEOの取り組み:「沖縄 ホテル」「ホテル おすすめ」などキーワードで検索された際に、より上位に表示されるようサイトの整備をすることでお客様の目に届く機会が増えてきます。
ユーザーが検索した際にきちんと情報が伝わること、良い印象を与えられること、そして第一に候補として見つけていただくことが肝心な取り組みになります。
3. “Share”(共有):口コミとして共有いただく
最後に、AISASモデルで現れた “Share”(共有)について考えます。
前述の通り口コミの影響は大きく、ホテルの予約獲得には重要課題のひとつともなります。
OTAによっては口コミ評価が平均○点以上で参画できるキャンペーンなどもございますので口コミ評価の向上は大事な取り組みとなります。
- ホスピタリティやサービス:「感動体験はつい共有したくなるものですよね。施設でどういう対応を受けた、特別な体験ができたなど、つい自慢したくなるサービスの提供をしてみてはいかがでしょう。
- 口コミ促進の施策:前述の通りキャンペーンの参画基準が口コミになることもございます。そこで施設としては口コミ促進としてお声がけをしたり、口コミ投稿割引プランの販売、口コミ投稿でプレゼントが当選するキャンペーンなど、独自の施策を試行錯誤してみてはいかがでしょうか。
口コミをいただくことで、サービスの課題や普段の業務では目につかない問題点などが発覚することもございます。常にユーザー目線を大切にすることでサービスの改善に繋がるのです。
また、近年では著名人やインフルエンサーを活用し、モデルプランの紹介やSNSへの投稿にて情報を発信する機会も増えています。効果の大きいマーケティングの一環ではありますが、景品表示法やステルスマーケティングに該当しないか、運用に注意しなければなりません。
参考:「景品表示法とステルスマーケティング(消費者庁)」
さいごに
今回は以前に投稿しましたAIDAモデルに加えてAIDMAモデル、AISASモデルをご紹介しました。
時代とともに変化する消費者行動モデルのご紹介でしたが、企業ごとに取り扱うサービスやその特性、またはそれを求めるユーザーの特性など、一概にこのモデルを参考にする、といった取り組みは難しいところです。その中でも自社を見つめなおし、ペルソナ分析やカスタマージャーニーマップの作成など、その企業に合ったマーケティングを行うことが求められます。
これまでに紹介したモデルの他にもAISCEASモデル、VISASモデルといった様々な購買行動モデルがございますので、企業に合った分析を探してみてはいかがでしょうか。
弊社では、お客様のニーズに応じた戦略的なサポートを行い、ホテルの魅力を最大限に引き出すお手伝いをしております。どうぞお気軽にご相談ください。
今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。