【新春座談会】国内OTAトップ4社(JTB・楽天・一休・じゃらん)の状況はどうなの?

、観光経済新聞から国内OTAトップ座談会の記事が上がっていたのでご紹介します。
JTB、楽天トラベル、じゃらん、一休、4社における2018年の振り返り、2019年の取り組み、スマホシフトの状況をまとめてみました。

2018年の振り返り

【JTB】
・上期は、自然災害や悪天候により、前年を少し下回った。
・下期は、復興施策に取り組み、好転した。
・JTBトラベルメンバーと、るるぶトラベル会員のID統合を実施(6月)。
・ブッキングドットコムグループ傘下のアゴダと「国内宿泊オンライン事業拡大に向けた包括的業務提携契約」を締結(11月)。
・インバウンドは2桁成長。
【楽天トラベル】
・楽天グループのポイントアッププログラム「SPU」に楽天トラベルが参加(4月)。
・自然災害の発生後、宿泊施設を応援するキャンペーンに取り組んだ。
(北海道の地震直後は前年比約20%減だったが、約2カ月後には同20~30%増まで回復)
・JALとANAの国内ダイナミックパッケージ(DP)が好調。DPの累計利用者数は19年に1千万人を突破する見込み。
・最近好調の沖縄県は、予約の4割強がDP。
【一休】
・重きをおいているラグジュアリー市場は、好況が続いている。
・ホテルの宿泊単価は17年より上昇している。過去5年の販売単価は約40%上昇。
・ラグジュアリー施設の客室在庫数は17年と18年でほぼ変わっておらず、変わらず高単価。
・一休.comビジネスは、客室在庫数増加し単価は横ばい。
・15年にヤフージャパンの子会社となり、成長の半分はヤフーとのシナジー(相乗効果)から。
【じゃらん】
・じゃらん全体としては堅調に推移した1年だった。
・西日本豪雨に対する「13府県ふっこう周遊割」、北海道胆振東部地震に対する「北海道ふっこう割」など、クーポン施策にスピーディーに対応。
・18年度は新たに「360度トラベルパートナー」というサービスコンセプトを設定。
・業務支援サポートとして「トリップAIコンシェルジュ」を宿泊施設の公式サイトへ導入。

2019年の取り組み

【JTB】
・「マーケットイン思考」「データドリブン」というキーワードを掲げて事業を推進
・JTBの強みであるオンライン、店頭、コールセンターなど複数の販売チャネルが連携し、1500万人以上のJTBトラベルメンバー一人一人に対して、価値を提供し続ける。
【楽天トラベル】
・19年は五輪開催前年であり、ラグビーワールドカップが開催されることを受け、インバウンドを強化する。
・海外OTAは部屋売りのイメージを持つ方も多いが、楽天トラベルは日本発のOTAとして、1泊2食付きという日本の旅館文化そのものを積極的に発信し、販売していく。
・楽天の携帯キャリアユーザーが増えることにより、新たに強力な顧客接点を持つことになり、トラベル事業の可能性もさらに拡大する。
【一休】
・ラグジュアリー市場が好況であり、引き続きこの状況は続くと予想。
・19、20年とラグジュアリーホテルが次々と開業するため期待している。
【じゃらん】
・18年10月に宣言した「日本国内の総旅行回数を増やす」ことにチャレンジする。(会員ランクに応じた特典を付与するプログラムを導入。会員ランクが上がるほどポイント付与率を上げるキャンペーンなどを行い、旅行回数全体を底上げする)
・宿泊施設の負担軽減の取り組みとして、「リクナビダイレクト」と「じゃらんnet」を18年8月に連携。宿泊施設が、じゃらんnetの管理画面から求人申し込みできる。
・当日にノーショウをした宿泊予約者から規定のキャンセル料を回収できなかった場合、損害額の50%について、保険会社から保険金が支払われるサービスを提供する。(19年4月1日以降のチェックアウト分から2年間限定)

スマホシフト

【JTB】
・閲覧の60%強はスマホ。予約は50%弱。商材にもよるが、国内宿泊予約に限ると、若干PCの方が多い。
【楽天トラベル】
・スマホ比率は閲覧、予約ともに高い。閲覧は多い日で80%を超える場合もある
【一休】
・トラフィック(閲覧)は約65~70%。予約は40~50%。コンバージョン(閲覧から予約への転換率)は、PCの方が高い。
・予約の40~50%というのは金額ベースであり、件数ベースだと良い勝負になるかもしれない。
・EC(電子商取引)の一般論としても高単価商品はPCでの購入率の方が高い。
【じゃらん】
・モバイルファーストやPCファーストなどと決めてサービス展開をしておらず、マルチデバイスとしてとらえている。
・モバイルユーザーにはモバイルに最適なUX(ユーザーエクスペリエンス。ユーザー体験)が必要であり、PCも同じ。

まとめ

2018年を振り返ると、各OTAで自然災害への復興施策を打ち出していたことが印象的でした。地震や豪雨、台風など自然災害が重なった一年でしたが、そういった予期せぬ事態が起きた際に、OTAの施策があることを認識しておき、対応策として活用することも手段の一つだと思いました。2019年の取り組みについては、楽天トラベルはインバウンドとの差別化として、”1泊2食付きという日本の旅館文化”に力を入れる、じゃらんは、リクナビダイレクトと連携して、採用と絡めた取り組みを実施するなど、それぞれの色を出した動きが期待できそうです。
今回まとめた内容以外にも、地方創生などのインタビューもありましたので、気になる方は下記リンクから記事の詳細をご確認ください!
観光経済新聞:【新春特別座談会】国内OTAトップ座談会 楽天トラベル×じゃらん×一休×JTB
それでは、本日は以上となります。今年もどうぞよろしくお願いします。
 

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