提携先販売とは?宿泊施設が知っておきたいメリットと注意点

こんにちは、ファイブスターコーポレーションです。
先日、提携先販売に関するトラブルがニュースで取り上げられ、大きな注目を集めました。
その主な原因は、宿泊施設がOTAへ提供した空室が、さらに別の事業者にて販売される仕組みにあります。
これにより、ホテルに予約情報が届かず部屋が確保されない、実際の予約内容と異なる、予約情報の伝達が遅れるといったトラブルが発生し、宿泊者と施設の間で混乱を招くケースが多数報告されています。
実際に、同様の事象でお困りの施設様や、今後同じようなトラブルが起きるのではとご不安を抱えている施設様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、改めて「提携先販売」について触れながら、そのメリット・デメリット、そして今後どのように向き合っていくべきかを整理してお伝えしていきたいと思います。

【1】提携先販売とは

通常、宿泊施設がOTAに提供した空室は、そのOTA上で販売されますが、一部のOTAでは、その在庫をさらに別の提携先(海外予約サイトなど)に再提供し、再販する仕組みがあります。
たとえば、A社に提供した在庫が、A社の提携先であるB社を通じて販売されるといったように、再販の構造が多層化していることも珍しくありません。
この提携先販売の仕組みは、施設単独では直接リーチできない海外市場などにアプローチできるという利点がある一方で、今回の報道でも取り上げられたように、以下のようなトラブルが発生するリスクもあるのが現状です。

・宿泊施設に予約情報が届かず、部屋が確保されていない
・予約された日程や部屋タイプが実際と異なっている
・予約通知にタイムラグが生じ、当日のチェックイン時に確認が取れない
・施設側の意図とは異なる料金で販売されている
・キャンセル不可で販売されることで、施設側で柔軟な対応が難しくなる

次に、こうした提携先販売のメリットとデメリットについてお話ししていきます。

【2】提携先販売のメリット・デメリット

 ■ メリット 
◎ 新たな集客ルートを確保できる
海外マーケットなど、既存のOTAや自社サイトだけではアプローチできない層の集客が可能になります。
◎ 平日や閑散期の稼働率向上に寄与
予約が埋まりにくい日程や曜日でも、提携先販売を活用することで予約獲得のチャンスが生まれます。
◎ 複数チャネルでの販売により売上の底上げが期待できる
在庫を分散することで、より多くの顧客接点を生み、販売機会の最大化が期待できます。

 ■ デメリット 
● 再販先が不透明になりやすく、流通管理が難しい
一度在庫を提供すると、その後どのサイトで・どのような条件で販売されているかを把握するのが難しくなり、販売管理が複雑になりがちです。
● 意図しない価格で売り出される可能性
想定より高額または安価で販売されるケースがあり、価格の信頼性や販売戦略に悪影響を及ぼす場合があります。
● 顧客トラブルのリスク増大
予約情報がホテルに届いていない、部屋タイプが違う、支払済のはずなのに未入金扱いなど、現場でのトラブルにつながる恐れがあります。
● ブランド・サービスへの悪影響
再販先で施設の情報が誤って掲載される恐れがあり、顧客の誤解を招き、結果的にクレームやブランドイメージの低下につながるリスクがあります。
● レートパリティの崩壊
公式サイトやOTAとの価格整合性が崩れ、「なぜこのサイトだけ安いのか?」という状況を招き、価格競争が発生してしまうリスクがあります。

【3】提携先販売はやめた方がいい?トラブルを減らすためにできること

提携先販売は確かにトラブルが起きやすい側面がありますが、一方でメリットもあるため、単純に「やめるべき」とは言い切れません。
大切なのは、仕組みを正しく理解し、リスクを抑えながら上手に付き合っていく事です。
以下で、少しでもトラブルを未然に防ぐために、施設様側で実践できる対策をご紹介します。

■特殊な部屋タイプは提携先で販売しない
例えば、男性or女性専用などといった条件付きの部屋タイプは、再販先で正しく表示されないケースが多く、誤予約やトラブルの原因となります。
こうした特殊の部屋タイプについては、販売先制限の設定できるサイトのみに絞って販売するのも選択肢の一つです。

■定期的な掲載内容のパトロール
掲載内容の誤表記やレートの崩れは、施設様側での定期チェックによって防ぐことができます。
特に以下のポイントは月1回の頻度でも確認しておくと安心です。
・部屋タイプ・定員・アメニティ表記の正確性
・禁煙/喫煙、朝食条件などの明記
・販売価格・キャンセルポリシーが施設意図と一致しているか
・表示画像や施設情報に誤りがないか

■ゲストへの確認
再販の場合、ゲストの情報が取得できずコンタクトが取れない事がほとんどです。
そのため、提携先経由でのご予約が入った段階でカスタマーサポート経由でゲストに確認をとってもらう事で、認識のズレを解消する事ができます。

【4】万が一トラブルが起きたときの対処法

どれだけ事前に対策をしていても、提携先販売に関するトラブルを完全にゼロにすることは難しいのが現実です。
だからこそ、「もしもの時にどう対応すべきか」をあらかじめ把握しておくことが非常に重要です。
ここでは、楽天トラベルを通じた提携先販売でトラブルが発生した場合の対応として、どのように問い合わせすればよいか具体的な手順をご紹介いたします。

【楽天トラベルでの問い合わせ手順】
1.楽天トラベルの管理画面にログイン
2.左上のメニューから「ヘルプ」を選択
3.「お問い合わせ内容別フォーム」の中から「提携先予約メール転送」を選択
4.必要な情報を入力して送信

このように、各OTAにはそれぞれ問い合わせ方法が用意されています。
トラブルが発生した際は、できるだけ早めに対応することが大切です。

【5】おわりに

提携先販売は、自社では直接リーチできない層に対してアプローチできる強力な販売チャネルですが、一方で、トラブルが起きやすい側面もあるのが事実です。
「再販によるトラブルの方が負担」「うちは海外からの集客が必要ない」と感じる施設様にとっては、無理に提携先販売を活用する必要はないかもしれません。
しかし、海外OTAでは提携先への再販を制限することができないので、海外OTA自体の掲載を止めざるを得ないことになります。そうなると、大きな機会損失に繋がりますので、施設様にとって得策ではないと考えます。

重要なのは、トラブルが起きるから販売をしないという極端な選択ではなく、再販の仕組みを正しく理解し、上手に付き合っていく柔軟な姿勢です。
リスクを最小限に抑え、新たな集客ルートとして活用しながら各OTAのアップデートを見守るのが、現時点では最も現実的かつ有効な対応策といえるでしょう。

弊社では、施設様ごとの販売状況や課題に合わせた最適な販売戦略のご提案を行っております。
「再販の制限方法を詳しく知りたい」「どのOTAとどう付き合えばいいか悩んでいる」などのお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ファイブスターコーポレーションでは、ホテル・宿泊施設の集客や運営に
お困りの事業主様・オーナー様をサポートする様々なサービスを提供しています。
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