宿泊施設の集客において、OTAは今や欠かせない販売チャネルとなっています。一方で、OTA経由の予約には送客手数料が発生するため、販売額が増えるほどコストも大きくなるという側面があります。
そこで改めて注目したいのが、公式HPからの直接予約です。公式予約は手数料負担を抑えられるだけでなく、お客様の情報を自社で管理でき、リピーター施策や直接のご案内につなげやすいという強みがあります。 反対に、公式HPに予約機能がない、または使いにくい状態だと、せっかく公式HPを訪れたお客様がOTAへ流れてしまい、本来得られたはずの利益を逃してしまうことにもなりかねません。
本記事では、公式予約の導入・見直しを検討されている施設様に向けて、代表的な予約エンジンである「DYNA IBE」「tripla」「予約番」の特徴と違いをご紹介します。 自施設に合ったシステム選びの参考にしていただければ幸いです。
【1】公式サイトの紹介「DYNA IBE」「tripla」「予約番」
公式予約エンジンを使うと、OTA経由の予約にかかる送客手数料を抑えられるだけでなく、お客様の情報を自施設で持てるため、再来訪のご案内やリピーター施策にもつなげやすくなります。まずは3つのサービスの特徴を見ていきましょう。
特徴のひとつが、検索サイトとの連携です。DYNA IBEで作成したプランはGoogleホテル広告やYahoo!検索に自動で掲載され、Googleホテル広告では有償の広告枠への掲載も可能です。
また、決済面ではPayPayによる事前決済を標準で備えており、お客様はスマホだけで予約を完結できます。
さらに、Yahoo! JAPAN・Facebook・Google・LINEのアカウントでのログインにも対応しているため、2回目以降の予約もスムーズです。
このほか、日帰り温泉やお食事、日帰りワーケーションといったプランも設定でき、宿泊のない時間帯のお部屋を活用できます。
費用:初期費用無料 月額料金7,500円〜(税別)
※オプションの追加等で費用が変わります。
ダイナテック株式会社 公式サイト
triplaでは予約エンジンとあわせてAIチャットボットも提供しており、宿泊前のお客様からの質問にAIが24時間・8言語で即時に回答します。
LINE公式アカウントと連携すれば、LINEに届いた質問にも自動で回答できます。
さらに予約エンジン自体にもAIが活用されており、検索した日が満室の場合は前後の空いている日程を提案して、別の日での検討を促します。
価格面では「ベストレート機能」により、向こう30日間の自社価格をOTAと比較して表示したり、自社価格を自動で調整したりできます。比較の対象となるOTAは、じゃらん・楽天トラベル・Booking.com・Agodaです。
また、海外のお客様向けには、主要34通貨での表示・決済に対応しています。日本円で設定した料金は自動で外貨に換算され、言語や通貨の表示もお客様にあわせて自動で切り替わります。
費用:初期費用無料 月額料金10,000円〜(税別・客室数により変動)
tripla株式会社 公式サイト
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料金は月額固定制のため、予約数が増えても成約手数料はかかりません。
予約画面はレイアウト5種類とカラー12色を組み合わせた60パターンから選べるので、公式サイトのイメージに合ったデザインに仕上げられます。
また、「コンテンツアシスタント」という機能も備えています。AIにチャット形式で質問すると、学習している情報をもとに回答してくれるもので、プランの紹介文やメールマガジンの作成などに活用できます。
文章作成の時間を短縮できる一方、AIの回答は必ずしも正確とは限らないため、使う前には必ず内容の確認が必要です。
さらに、サポートは24時間365日体制です。平日9時〜18時はサポート専任スタッフが専用フリーダイヤルで対応し、夜間・休日は専用のダイヤルで問い合わせを受け付けています。
費用:初期費用30,000円〜 月額料金13,000円〜(税別)
※オプションの追加等で費用が変わります。
予約番 公式サイト
もっと知りたい方はこちらを
【2】公式予約エンジン3社を比較
ここからは、「DYNA IBE」「tripla」「予約番」の3つを、宿泊施設のWEB販売担当者が特に気になる以下の4つの観点で比較します。■料金(導入・運用コスト)
■Google集客・広告運用
■インバウンド(外国語)対応
■会員化・CRM機能
「積み上げ型」
「オールインワン型」
月3,000円
(4言語の自動翻訳)
初期20,000円+月3,000円(1言語ごとに加算)
自動翻訳は1言語あたり月1,000円
従量課金
※「しきい値」は導入前の実績に基づきます。
ポイント
- 固定費をいちばん抑えられるのはDYNA IBEです。予約エンジン本体は月7,500円〜で、ポイント・クーポン(各月3,000円、セットで月5,000円)や多言語対応などを必要な分だけ追加できます。スモールスタートに向いています。
- triplaは月額が高めに見えますが、CRM、AIチャットボット、多言語・多通貨対応まで含んだ料金です。他の2社でオプションを足していった場合の総額と比べて判断するのがおすすめです。なお、予約エンジン単体なら月10,000円〜からも契約できます。
- 予約番は初期費用がかかりますが、月額固定で成約手数料はありません。予約が増えてもコストが上がらないのが特徴です。
費用:成約時のみ宿泊金額の5%
(無料〜初期30,000円・月20,000円)
ポイント
- 3社ともGoogleの無料予約リンクに対応しているので、「Googleで施設名を検索したときに公式サイトの料金を出す」という基本は、どれを選んでもできます。
- DYNA IBEは、メタサーチ広告を完全成果報酬(成約時のみ5%)で使えるのが強みです。広告費を先に払うリスクがありません。
- triplaは、メタサーチに加えてリスティング広告の運用代行までお願いできます。広告運用を社内でやる人がいない施設には心強いです。
- 予約番は広告運用の機能はないので、Google広告を出す場合は自社や代理店で別途運用する前提になります。
※日本語以外
※自動翻訳オプション
※標準対応
※オプション
外貨決済
ポイント
- DYNA IBEは4言語ですが、主要なアジア圏+英語はカバーしています。画像の下に英語のキャプションを付けられたり、食事の有無や部屋タイプで絞り込み検索できたりと、外国人のお客様にも分かりやすい画面を作れます。
- 海外のお客様の予約を本格的に増やしたいなら、triplaが一歩リードしています。ユーザーの言語に合わせて表示言語・通貨が自動で切り替わり、問い合わせもAIチャットで24時間多言語対応できるので、スタッフの負担も減らせます。
- 予約番は対応言語が最も多く、欧米の言語にも対応しています。必要な言語だけ選んで追加できるので、「英語だけでいい」という施設はコストを抑えられます。
OTA依存から抜け出すには、「一度泊まったお客様に、次は公式サイトから予約してもらう」仕組みが欠かせません。
価格の併記
※クーポンとのセットは月5,000円
(オプション)
(オプション)
(メール・LINE等)
(オプション)
ポイント
- DYNA IBEは、バースデー・閑散期限定・枚数限定など、目的別のクーポンテンプレートが豊富です。キャンペーンの型を作りやすいのが魅力です。SNSアカウント(LINE/Yahoo!/Facebook/Google)でログインできるので、会員登録のハードルも下げられます。本格的なCRMはオプションですが、全部入れても月額はtriplaのパッケージに近い水準に収まります。
- triplaは、顧客データの統合から、セグメント配信、効果測定までが最初から揃っています。会員登録率は平均70%超という実績もあり、「リピーター施策をデータで回したい」施設に向いています。
- 予約番は、クーポンが標準機能で、会員価格の表示やポイント、DM配信はオプションで追加していく形です。まずはクーポンから始めて、必要に応じて会員施策を広げていけます。データ分析を軸にしたCRMまで組みたい場合は、DYNA IBE(VERTEC-X)やtriplaのほうが機能が揃っています。
・Google/Yahoo!のメタサーチを成果報酬で使いたい
・ポイントやクーポンで会員化を進めたい
・Google広告の運用までまとめて任せたい
・初期費用より、機能が一通り揃っていることを重視したい
・多言語は必要な言語だけ絞って追加したい
・広告運用は自社または代理店で別途行う
どのエンジンが「一番いい」というより、施設の規模、自社予約比率、インバウンドの比率、社内で運用に割ける人手によって最適な選択は変わります。 導入を検討するときは、以下の3つを整理してから各社の見積りを比べると判断しやすくなります。
①何を重視するか(コスト/インバウンド/リピーター施策など)の優先順位を決める
②今の年間予約件数・稼働率・ADR・自社予約比率をもとに、導入後の収支をシミュレーションする
③必要なオプションを含めた見積りで、費用対効果を比べる
【3】フィッシングについて
2026年に入り、ホテルや予約サイトを装ったフィッシングメッセージが多発しています。
実際の予約番号や宿泊日程を含んだ文面でお客様を信用させ、偽のサイトへ誘導してクレジットカード情報を入力させる手口です。
2026年6月には日本ホテル協会が、Booking.comで予約したお客様に向けて注意を呼びかけました。報道によると、40以上の国内ホテル・チェーンが不審なメッセージを把握しており、1つのホテルで約90件の報告があったケースもあります。過去には、施設が管理する予約管理画面への不正アクセスをきっかけに、お客様へ偽のメッセージが送られた事例も報告されています。
フィッシング被害は、お客様の金銭的な被害だけでなく、施設の信頼やクチコミ評価にも影響します。OTAを使う場合も、公式予約を強化する場合も、次のような備えをしておきましょう。
◆施設側でできる対策
- 管理画面のログインを守る:OTAや予約エンジンの管理画面は、2段階認証を設定し、パスワードの使い回しをやめましょう
- 不審なメールを開かない:お客様や予約サイトを名乗るメールでも、添付ファイルや本文中のリンクは安易に開かないよう、スタッフ全員で共有しましょう
- お客様へ事前に伝える:公式サイトや予約確認メールに「当館からメッセージでカード情報の入力をお願いすることはありません」といった一文を載せておくと、お客様が気づくきっかけになります
- 公式サイトのURLを案内する:公式予約を案内するときは正しいURLを明記し、お客様が偽サイトと見分けられるようにしましょう
不審なメッセージに気づいたら
- OTAの窓口へ速やかに連絡し、指示に従って対応しましょう
- 公式サイトやSNSで、お客様へ注意を呼びかけましょう
【4】おわりに
今回は、公式予約エンジン「DYNA IBE」「tripla」「予約番」の紹介と比較、そして予約に関わるフィッシング被害への備えについてご紹介しました。 OTAは今も、宿泊施設にとって欠かせない集客チャネルです。ただ、手数料や販売ルールが変わるたびに売上が左右される状態は、できれば避けたいところです。 「OTAで出会い、公式サイトでつながる」流れを少しずつ育てながら、お客様が安心して予約できる環境も整えていきましょう。
「どの予約エンジンが自施設に合うか分からない」「OTAと公式サイトの料金バランスが不安」という場合は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※本記事に記載の料金・機能・導入実績・事例は、2026年10月時点で各社や公開資料、報道に掲載されている情報をもとにしています。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。
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